こんにちは、トモキです!
今回は、ぼくが大学で2回の引っ越しをした経験をもとに「寮の部屋選び問題」について話そうと思います!
中国留学の寮選びで迷っている方へ。先にこの記事の結論からお伝えすると、僕は「一人部屋」を強くおすすめします。
もちろん、2人部屋には費用が安い、友達ができやすい、語学力が伸びるといった魅力的なメリットがあります。僕自身も2人部屋での生活を通じて、中国語の会話能力が飛躍的に向上しました。
しかし、それと引き換えに、生活習慣の違いからくるストレスで「勉強に集中できる環境」と「心の平穏」を失いかけました。留学の最大の目的である学業の成果は、安心して過ごせる生活基盤があってこそ最大限に発揮されます。
幸い、中国の大学寮は、欧米に比べて1人部屋と2人部屋の価格差が比較的小さく、月々数万円という「投資」で、留学生活の成功に不可欠なプライベート空間を確保できます。
この記事では、なぜ僕がこの結論に至ったのか、その具体的な体験談と詳細な費用比較を交えて、じっくりと解説していきます。
はじめに:なぜ僕は1年で3つの寮を渡り歩いたのか?
中国留学を目前に控え、新しい生活への期待でいっぱいの方も多いでしょう。しかし、その前に多くの留学生が頭を悩ませるのが「寮選び」です。特に多くの留学生がぶつかるであろう「1人部屋か、2人部屋か」という問題は、単なる部屋選びに留まらず、留学生活全体の満足度を大きく左右する重要な決断となります。
何を隠そう、僕自身もこの寮選びには人一倍悩みました。2023年3月から北京外国語大学での寮生活をスタートし、この1年余りで学内の引越しを2回も経験。結果的に「高級1人部屋」→「共用トイレ付き2人部屋」→「共用トイレ付き1人部屋」と、3つの異なる環境を渡り歩くことになりました。
この記事では、僕自身の少しユニークな体験談を基に、中国の大学寮のリアルを包み隠さずお伝えします。単にメリット・デメリットを並べるだけでなく、僕がなぜ最終的に1人部屋を選んだのか、その過程で何を感じ、どんな壁にぶつかったのか。僕の経験が、これから留学する皆さんが後悔のない寮選びをするための、具体的で信頼できるガイドとなれば幸いです。
【体験談】2年で3回引越し!北京外国語大学の寮生活リアルレポート
まずは、僕が実際に経験した3つの寮での生活を、時系列に沿ってご紹介します。ここには、ガイドブックには書かれていない、留学生のリアルな日常が詰まっています。
1. 入学直後:予想外から始まった「高級1人部屋(90元/日)」生活
2023年3月、初めて北京の地に降り立った僕を待っていたのは、予想外の展開でした。大学の寮事務室で告げられたのは「ごめん、今2人部屋は空いてないんだ」という一言。こうして、半ば自動的に決まったのが、1日90元の「高級1人部屋」での生活でした。僕は、当時できるだけ留学中の生活費を抑えたかったので、1日40元の2人部屋に住む予定でした。拙い中国語を使い、やっとの思いで学校に到着し、いきなり予算の倍以上の寮費を請求されて、ショックを受けました…。

中国の留学生は学期毎に寮費を支払うことが多いです!
場所は留学生寮の「西キャンパス国内ビル6号楼」。部屋には清潔なベッドと机、そして何より自分専用のトイレとシャワールームが完備されていました。誰にも気兼ねなく、自分のペースで生活できるプライベートな空間は、初めての海外生活の不安を和らげるには十分すぎるほど快適な環境でした。


この時点では、この快適な「城」を出て、ルームメイトとの共同生活に挑戦することになるとは、想像もしていませんでした。
2. 1度目の引っ越し:成長と葛藤が交錯した「2人部屋」時代
快適な1人部屋生活にも慣れた頃、学期の変わり目に大きな決断をします。それは、寮費を節約し、もっと中国語に触れる機会を増やすため、2人部屋へ引っ越すというチャレンジでした。当時、中国政府奨学金をいただくことが決まり、「2人部屋は寮費が無料」という理由も大きかったです!
奨学金については、こちらの記事で紹介しています!

得られたもの:飛躍的に向上した中国語力と、人の温かさ
新しいルームメイトは、同じ大学に通うタイ人の留学生🇹🇭。彼との共同生活は、僕の中国語力を劇的に引き上げてくれました。授業で分からなかった部分を教え合ったり、寝る前に他愛もない話をしたり。教室で学ぶのとは違う「生きた中国語」に毎日触れることで、特に会話能力が格段に向上しました。これは、2人部屋を選んだからこそ得られた最大のメリットです。
また、僕が体調を崩して寝込んでしまった時には、ルームメイトがフルーツを買ってきてくれたり、心配して声をかけてくれたりしました。異国の地で一人、心細い時に彼の存在は非常に心強く、人の温かさに救われました。

フレンドリーでとにかく優しいルームメイトでした!
失ったもの:共同生活がもたらす厳しい現実
しかし、そのメリットと引き換えに、僕は共同生活の厳しい現実に直面します。文化や生活習慣の違いは、想像以上に大きなストレスとなって僕にのしかかりました。
- 騒音問題: 最も精神的に堪えたのが、期末テスト期間中の出来事です。僕が必死に勉強しているすぐ横で、ルームメイトがスピーカーモードで大音量のビデオ通話を始めたのです。僕は「少し静かにしてほしい」と自分から伝えることができず、ストレスが溜まっていきました。自分の将来がかかった大事な時期に勉強を邪魔される焦りと憤りは、今でも鮮明に覚えています。共同生活では、自分が集中したい時に静かな環境が保証されないという、根本的な課題があるのです。
- 匂いの問題: ある晩、部屋のドアを開けると強烈な匂いに襲われました。彼が部屋でドリアン味のお菓子を食べていたのです。僕はドリアンが特別苦手なわけではありませんが、換気されていない狭い部屋に充満した匂いは、さすがに耐え難いものでした。その匂いは数日間部屋から消えず、自分の部屋なのに心からリラックスできない日々が続きました。
- 衛生観念の違い: 共同のゴミ箱がゴミで溢れかえっていても、彼が袋を交換することはありませんでした。床にお菓子の食べかすが落ちていてもお構いなし。最初は僕が掃除していましたが、次第に「なぜ自分だけが?」という不満が募っていきました。清潔さの基準は人それぞれですが、そのギャップが毎日のストレスとして積み重なっていくのです。

もちろん楽しい思い出もありましたが、これらの経験を通じて、僕は「他人との空間共有」が、自分の学習効率と精神的な健康に深刻な影響を与えていることを痛感しました。

きちんと意見を言えなかった自分にも責任がある…
3. 2度目の引っ越し:たどり着いた最適解「共用トイレ付き1人部屋(60元/日)」
ルームメイトとの生活に限界を感じた僕は、次の学期に再び引越しを決意。最終的に選んだのが、西キャンパス白楼にある1日60元の、トイレとシャワーがフロア共用の1人部屋でした。
部屋のドアを閉めれば、そこは完全に自分だけの空間。誰にも邪魔されずに深夜まで勉強でき、好きな時に休み、匂いを気にせず食事ができる。この「自分の環境を100%コントロールできる」という状態がもたらす精神的な安らぎは、何物にも代えがたい価値がありました。

確かに、トイレやシャワーのために部屋を出る手間はあります。しかし、それは部屋の中で常に感じていたストレスに比べれば、全く気にならないレベルでした。この経験から学んだのは、留学における住環境の成功は、豪華な設備ではなく「安心して集中できるプライベート空間の確保」という、より本質的な要素にあるということです。これは、留学生の幸福度において好ましい住環境が最も重要な要素である、という研究結果とも一致します。
また、僕の大学の寮には共通のルールとして門限があります。夜12時から朝6時までは寮の玄関が施錠され、原則として外出・入館ができなくなります。夜遅くまで外出したい方や、早朝に出かける用事がある方は、この点も考慮に入れると良いでしょう。
1人部屋 vs 2人部屋 メリット・デメリットを客観的に徹底比較!
僕個人の体験談だけでは、少し偏った見方になってしまうかもしれません。そこで、ここからは一般的な視点で、1人部屋と2人部屋のメリット・デメリットを客観的に整理してみましょう。
1. 1人部屋のメリット
- プライバシーが完全に守られる: 自分のペースで生活できる最大の利点。他人に気兼ねなく、起床・就寝、勉強、休憩時間を自由に設定できます。
- 学習に集中できる環境: ルームメイトによる騒音や会話などの妨害が一切ないため、特に試験期間やレポート作成時にその効果を実感できます。
- 対人ストレスからの解放: 清潔さの基準、生活リズム、金銭感覚など、共同生活で起こりがちなトラブルを根本的に回避できます。
2. 1人部屋のデメリット
- 費用が割高になる: 2人部屋と比較すると寮費は高くなります。光熱費なども全て自己負担となるため、トータルの出費は増える傾向にあります。
- 交流の機会が減る可能性: 部屋にいる時間が長くなると、他の留学生との自然な交流が減り、友達作りに少し工夫が必要になるかもしれません。サークル活動への参加など、意識的な行動が求められます。
- 静かな環境ゆえの孤独感: 誰にも邪魔されない快適さがある一方、常に一人でいるため、ふとした瞬間に孤独を感じやすくなることもあります。
3. 2人部屋のメリット
- 圧倒的な費用の安さ: 最大のアドバンテージです。寮費や光熱費を折半できるため、留学費用を大幅に節約することが可能です。
- 友達を作りやすい: ルームメイトは留学先で最初にできる友達になるケースが多いです。そこから交友関係が自然と広がっていくことも期待できます。
- 語学力向上のチャンス: 僕の経験からも言えるように、ルームメイトとの日常会話は、実践的な語学力を鍛える絶好の機会になります。
- 困った時に助け合える: 病気になった時や何かトラブルがあった時に、一番近くで助けてくれる存在がいるのは非常に心強いです。
4. 2人部屋のデメリット
- プライベート空間の欠如: 常に他人の存在を意識する必要があります。一人の時間が欲しい時でも、完全にリラックスするのは難しいかもしれません。
- 生活習慣や価値観の衝突リスク: 睡眠時間、衛生観念、騒音への感覚の違いは、深刻なトラブルに発展する可能性があります。良いルームメイトに出会えるかは「運」の要素が強いのが現実です。
- 勉強に集中しにくい環境: 相手が友人を部屋に招いたり、電話をしたり、音楽を聴いたりすることで、自分の学習計画が妨げられる可能性があります。
5. 【早見表】あなたはどっち?1人部屋 vs 2人部屋 究極の選択
ここまでの内容を、一目で比較できる表にまとめました。自分が何を優先したいかを考えながら、チェックしてみてください。
項目 | 1人部屋 | 2人部屋 | 備考 |
費用 | △ | ◎ | ただし中国では1人部屋も十分に安い |
プライバシー | ◎ | × | 自分のペースで生活できる |
勉強環境 | ◎ | △ | 特にテスト期間に大きな差が出る |
交流機会 | △ | ◎ | 積極的な行動でカバー可能 |
語学練習 | × | ◎ | 最大のメリットだが相手次第 |
対人ストレスリスク | ◎ (低い) | × (高い) | 留学生活の質を根本から左右する |
安心感 | △ | ◎ | 病気や緊急時に助け合える |
【費用公開】驚きの安さ!北京外国語大学の寮費はいくら?
ここまで1人部屋と2人部屋を比較してきましたが、やはり最も気になるのは「費用」ですよね。しかし、ご安心ください。中国留学の大きな魅力の一つが、この寮費の圧倒的な安さなのです。

こちらが、僕が通う北京外国語大学の留学生寮の実際の料金表です。
僕が最初に住んだトイレ・シャワー完備の「西キャンパス国内ビル6号楼」の1人部屋は1日90元。そして、現在住んでいるトイレ・シャワー共用の「西キャンパス白楼」の1人部屋は1日60元です。
これを月額(30日)に換算してみましょう。現在のレート(1元=約20円で計算)だと、以下のようになります。
- 1日60元の1人部屋(トイレ・シャワー共用):60元×30日=1800元/月1800元×20円≈36,000円/月
- 1日90元の1人部屋(トイレ・シャワー完備):90元×30日=2700元/月2700元×20円≈54,000円/月
いかがでしょうか?日本の都市部でワンルームマンションを借りることを考えれば、信じられないほどの安さだと感じませんか?
ちなみに、表で最も安い2人部屋(1日40元)の場合、月額にすると、たったの1200元(約24,000円)です。
ここで重要なのは、単に「安い」ということだけではありません。最も安い2人部屋(月額約24,000円)と、僕が今快適に過ごしている1人部屋(月額約36,000円)の差額が、月々わずか12,000円程度だという事実です。
欧米留学では、1人部屋は「贅沢品」であり、2人部屋との価格差も大きいです。しかし中国では、月々1万円台という「投資」で、学習効率と精神的な平穏という、留学生活で最も重要な土台を手に入れることができるのです。これは、中国留学が持つ、他国にはない大きなアドバンテージと言えるでしょう。
あなたはどっち派?寮選び自己診断チェックリスト
ここまで読んでもまだ迷っている方のために、簡単な自己診断チェックリストを用意しました。直感で「はい」か「いいえ」で答えてみてください。
- 静かな環境でないと勉強や作業に集中できない
- 自分の生活リズムを他人に乱されると強いストレスを感じる
- 部屋の清潔さには、ある程度こだわりがある
- 一人の時間がないと精神的にリフレッシュできない
- 他人と生活空間を共有することに、どちらかと言えば抵抗を感じる
- 留学の最大の目的は、何よりも学業で成果を出すことだ
- 多少費用が高くなっても、快適なプライベート空間を確保したい
- 自分から積極的に話しかけて友達を作るのは少し苦手だ
- 留学費用は1円でも安く抑えることが最優先事項だ
- 常に誰かと一緒にいる環境の方が安心する
- 多少の生活音や文化の違いは気にしない、大らかな性格だと思う
- 中国語を上達させるためなら、多少の不便は我慢できる
診断結果
▼「はい」が7個以上だったあなた → 【1人部屋推奨タイプ】
あなたは、プライベートな空間と集中できる環境を何よりも重視するタイプです。あなたにとって1人部屋は、留学生活の成功を支える最高の「投資」となるでしょう。ルームメイトとの不要なストレスを避け、自分のペースで学業に専念することで、留学の成果を最大化できるはずです。
▼「はい」が4〜6個だったあなた → 【要検討タイプ】
あなたは、1人部屋と2人部屋のどちらにも適応できる可能性があります。ただし、2人部屋を選ぶ場合は、ルームメイトとの相性が留学生活の満足度を大きく左右します。もし2人部屋を選ぶなら、入寮後なるべく早く、掃除の分担や友人を呼ぶ際のルールなど、共同生活の基本的なルールについて話し合っておくことを強くお勧めします。

部屋のルールは初日に決めるのがおすすめです!
▼「はい」が3個以下だったあなた → 【2人部屋チャレンジャータイプ】
社交的で順応性が高いあなたなら、2人部屋での共同生活を楽しみ、語学力を大きく伸ばせる可能性があります。ルームメイトとの異文化交流を存分に満喫し、留学生活を豊かなものにしてください!ただし、貴重品の管理だけは徹底するようにしましょう。
結論:それでも僕が「1人部屋」を強く勧める理由
ここまで、僕自身の体験と客観的なデータを交えながら、寮の部屋選びについて解説してきました。
2人部屋での生活が、僕の中国語を飛躍的に向上させてくれたのは事実です。病気になった時に助けてくれたルームメイトの優しさは、今でも忘れられない大切な思い出です。
しかし、集中できる環境での勉強時間の確保と日々のストレス、プライバシーを考えて、僕は最終的に一人部屋を選びました。
留学の目的は人それぞれですが、多くの人にとって「学業での成長」がその中心にあるはずです。僕が身をもって学んだのは、その学業の成果は、日々の生活基盤がいかに安定しているかに大きく左右されるということです。安心して眠り、集中して学べる環境がなければ、どんなに高い志を持っていても、その能力を最大限に発揮することはできません。
幸いなことに、中国の大学寮は、その「成功の基盤」を「月々数万円」という現実的な投資で手に入れることができる、世界でも稀有な環境です。
もしあなたが、僕のように勉強とプライベートな時間を何よりも大切にしたいと考えるなら、僕は迷わず1人部屋を選ぶことを強くお勧めします。ルームメイトという「運」の要素に、あなたのたった一度きりの貴重な留学生活を委ねるのではなく、自分でコントロールできる確実な環境を、ぜひ手に入れてください。
寮選びは、留学する際に誰もが心配することだと思いますが、僕のように途中で寮を変えることもできるので、生活しながら自分に合った寮を選んでみてください。この記事が、少しでも中国留学を考えている人の参考になれば嬉しいです。
北京で、皆さんにお会いできるのを楽しみにしています!
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