こんにちは、トモキです!今回は、中国留学中の旅行についてお話しします!
留学生が中国国内を旅行するには、短期の観光客とは少し違う、より深い知識と準備が必要になります。普段の生活で当たり前に使っている電子決済や、キャンパス周辺での感覚だけでは、思わぬ壁にぶつかることがあるからです。
この記事は、そんな皆さんに向けて作られた、日本人留学生のための中国旅行ガイドです。単なる旅行マニュアルではなく、なぜそういったルールがあるのかという背景から、交通機関やホテルの予約のコツ、外国人が入れない特別なエリア、そして万が一のトラブルに備えるための具体的な対処法まで、分かりやすく解説していきます。この記事を読んでしっかり準備すれば、安全で、もっともっと中身の濃い旅ができるはずです!ぜひ参考にしてみてください!
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旅の必須アイテム!パスポート携帯は絶対のルール
中国国内を旅行する上で、最も基本的で絶対に守らなければならないルール、それは「パスポートを常に携帯すること」です。これは「持っていた方が良い」というレベルの話ではなく、法律で定められた義務。あらゆる場面で、あなたが外国人であることを証明する唯一の公的な身分証明書になります。
1. なぜそんなに厳格なの?法律上の根拠
中国の「出入国管理法」という法律では、16歳以上の外国人はパスポートまたは居留許可証を携帯することが義務付けられています。もしこれに違反し、警察官などから提示を求められた際に持っていないと、警告を受けたり、最大2,000人民元の罰金が科されたりする可能性があります。最悪の場合、派出所に連れて行かれて事情聴取を受けることもあります。軽く散歩に出かけたりする分には、パスポートの写真をスマホに保存しておけば大丈夫です!
2. パスポートの原本が絶対に必要になる場面
法律で決まっているだけでなく、実際の旅行のあらゆる場面でパスポートの提示が求められます。
- 交通機関の利用:高速鉄道(高铁)、飛行機、長距離バスのチケットを買う時と乗る時には、必ずパスポートが必要です。
- ホテルへのチェックイン:すべてのホテルや旅館では、チェックイン時に宿泊者全員のパスポート原本を提示し、情報を登録することが法律で義務付けられています。
- 観光地の入場:故宮博物院や兵馬俑といった多くの有名な観光地では、チケット購入が実名制になっています。外国人はパスポート番号で予約し、入場時にパスポート原本の提示を求められます。
- セキュリティチェック:駅や空港はもちろん、北京の天安門広場周辺や新疆ウイグル自治区などの特定のエリアでは、街中に検問所があり、頻繁に身分証明書の提示を求められます。

これらの場面は必ず原本を持っていってください!
3. なぜ「原本」じゃないとダメなの?
なぜコピーではダメで、これほど厳しくパスポートの原本が求められるのでしょうか。それは、現代中国の社会システムが、中国国民の身分証(身份证)をベースにした巨大な実名制データベースと繋がっているからです。ホテルの宿泊者情報、電車の乗客情報、観光地の入場者情報は、すべてリアルタイムで公安(警察)のシステムに登録される仕組みになっています。
このシステムにおいて、外国人のパスポートは、中国の身分証に代わる唯一の公式な身分証明書として機能します。つまり、パスポートを見せるという行為は、単に本人確認をするだけでなく、あなたをこの国家システムに正式に登録するための不可欠な手続きなのです。この仕組みを理解すれば、パスポートを携帯しないことが、単に身分を証明できないだけでなく、旅行に必要な様々なサービスを利用するための「鍵」を失うことと同じ意味を持つことがわかるでしょう。
外国人泊まれないホテルがある?宿選びの注意点
中国での旅行計画、特に地方都市や安い宿を探している時にぶつかるのが「外国人お断り」の問題です。ネットで予約できたのに、現地に行ったら「泊まれません」と断られてしまうケースも少なくありません。これには、歴史的な制度と現代のシステムが関係しています。
1. 「外国人が泊まれないホテル」とは?
昔の中国では、外国人が泊まれるホテルは「渉外飯店(しょうがいはんてん)」と呼ばれる、政府から特別な許可を得た施設だけに限られていました。これは、外国人の行動を管理するための1980年代の制度の名残です。今では北京や上海などの大都市ではこの規制は緩和されていますが、地方ではまだその考え方が根強く残っています。
現代において宿泊を断られる主な理由は、差別というよりも技術的な問題です。ホテルが外国人を泊めるには、宿泊者のパスポート情報をスキャンして、管轄の公安(警察)にオンラインで報告するための専用システムを導入している必要があります。このシステムがない小さなホテルや個人経営の旅館は、法律的・物理的に外国人を泊めることができないのです。これが「泊まれないホテル」が存在する一番の理由です。
2. 泊まれるか確認する、一番確実な方法
携程や同程などのオンライン予約サイトは便利ですが、予約が完了したからといって100%泊まれる保証はありません。一番確実な方法は、ホテルに直接電話して確認することです。安い民宿は、外国人は泊まれないことが多いです。中国語に自信がなくても、以下のフレーズを使えば大丈夫です。
- 基本の質問:「请问,你们酒店可以接待外宾吗?」(Qǐngwèn, nǐmen jiǔdiàn kěyǐ jiēdài wàibīn ma? / すみません、こちらのホテルは外国人客を受け入れていますか?)
- より具体的に:「我是日本人,带护照就可以入住是吧?」(Wǒ shì Rìběnrén, dài hùzhào jiù kěyǐ rùzhù shi ma? / 私は日本人で、パスポートを持っていればチェックインできますか?)

Trip.com上のホテルはほとんど外国人が泊まれるホテルです!
3. もし現地で断られたら…
万が一、予約したホテルで宿泊を断られても、スタッフと口論するのは得策ではありません。彼らはルールに従っているだけです。冷静に、次の対応を取りましょう。
- 代わりのホテルを聞いてみる:スタッフに「请问附近有可以接待外宾的酒店吗?」(Qǐngwèn fùjìn yǒu kěyǐ jiēdài wàibīn de jiǔdiàn ma? / この近くに外国人が泊まれるホテルはありますか?)と尋ねてみましょう。親切な人なら、近くの泊まれるホテルを教えてくれることがあります。
- 確実なホテルを探す:一般的に、星付きのホテル(特に三つ星以上)や、マリオットやヒルトンのような国際的なホテルチェーンは、ほぼ確実に外国人受け入れシステムを導入しています。
4. もう一つの義務:「臨時宿泊登記」
ホテルの問題と合わせて知っておくべきなのが「臨時宿泊登記」です。中国の法律では、外国人がホテル以外の場所、例えば友人のアパートに泊まる場合、到着後24時間以内(農村部では72時間以内)に、その地域の派出所(交番)で届け出をすることが義務付けられています。
ホテルに泊まる場合は、チェックイン時にホテルがこの手続きを代行してくれます。しかし、友人宅に泊まる場合は、必ず本人と家のホストが一緒に派出所へ行き、手続きをする必要があります。これを怠ると罰金の対象になる可能性があるので、「友達の家に泊めてもらう」という選択は慎重に考えましょう。
中国の高速交通網を乗りこなす!高鉄(高速鉄道)と長距離バス
広大な中国を移動するには、高速鉄道(高铁)と長距離バスがとても便利です。でも、これらの利用にも外国人ならではの注意点があります。
1. 高鉄 (Gāotiě) — スムーズな移動の主役
中国の高速鉄道は、快適で時間も正確。でも、チケット購入から乗車まで、外国人が知っておくべきポイントがいくつかあります。
チケットの買い方:アプリと窓口
- 公式アプリ「铁路12306」:最も正確な情報が得られ、手数料もかかりません。ただし、利用するにはパスポートを使った「人证核验(実名認証)」が必要です。認証には数日かかることもあるので、旅行の計画を立てたら真っ先にこの認証を済ませておくのがおすすめです。もし認証がうまくいかない場合は、アプリの言語を英語に切り替えて試してみてください。
- 旅行アプリ「携程 (Ctrip)」や「同程 (Tongcheng)」:日本語にも対応していて、外国人にとって使いやすいのが特徴です。国際クレジットカードで決済できるのも嬉しいポイント。パスポート情報の登録は必要ですが、12306アプリより簡単な場合が多いです。
- 駅の「人工窗口(有人窓口)」:アプリでの購入がうまくいかない時や、現金で支払いたい時に利用します。パスポートを提示し、行き先、日付、乗りたい列車の番号(事前にアプリで調べておくとスムーズ)を伝えれば購入できます。
駅での手続きと乗り方
中国の駅は、中国国民が身分証でスムーズに利用できるように設計されています。そのため、パスポートを使う外国人は少し違う手順を踏む必要があります。
- 駅への入場:駅の入口では、空港のように手荷物検査と身分証明書の確認があります。時間に余裕を持って駅に到着するようにしましょう。
- 改札と乗車:改札口(检票口)には自動改札機がありますが、これは中国の身分証専用で、外国人のパスポートには対応していません。そのため、外国人は改札の横にある「人工通道(有人ゲート)」に並び、駅員にパスポートと乗車情報(アプリのQRコードなど)を見せて通る必要があります。混雑時はこのゲートが長蛇の列になることもあるので、早めに改札に向かいましょう。
2. 長距離バス
鉄道が通っていない場所へ行くのに便利なのが長距離バスです。
- チケット購入:長距離バスターミナル(客运站)の窓口でパスポートを提示して購入するのが一般的です。
- 路線バス(市内バス):市内の移動で使う路線バスは、WeChat PayやAlipayの乗車用QRコードで支払えることが多いです。現金の場合はお釣りが出ないので、小銭を用意しておきましょう。乗車は前のドアから、降車は後ろのドアからが基本です。
- マナーと安全:長距離バス、特に夜行バスでは、貴重品の管理に十分注意し、常に身につけておきましょう。車内では大声での会話や匂いの強い食べ物は控えるのがマナーです。
旅の頼れる相棒!必須スマホアプリ
中国での旅行をスムーズに進めるには、現地の便利なスマホアプリを使いこなすことが不可欠です。ここでは、旅行計画と現地での行動に役立つ必須アプリを紹介します。
1. 旅行予約のオールインワンアプリ
- 携程 / Trip.com と 同程 (Tongcheng):これらは中国旅行の「スーパーアプリ」。航空券、高速鉄道、ホテルの予約から観光地の入場券まで、一つのアプリでほとんどの予約が完了します。特にホテル予約では、外国人が泊まれるかどうかで絞り込み検索ができる(外宾适用)ので、先ほど説明した宿泊問題を避けるのに非常に役立ちます。トラブルがあった時のカスタマーサポートも心強い味方です。


「筛选」→「外宾适用」で検索できます!
2. 特定分野の専門アプリ
- 铁路12306 (Railway 12306):中国国鉄の公式アプリ。他のアプリで予約する場合でも、最新かつ最も正確な列車の運行状況や空席情報を確認するためにインストールしておくと非常に便利です。
- 大众点评 (Dàzhòng Diǎnpíng):これは単なる「中国版食べログ」ではありません。レストランはもちろん、観光地、ショッピング、マッサージ店まで、あらゆるお店の口コミと評価が集まっています。最大のメリットは、観光客向けではない、地元の人が本当に通う人気店を見つけられること。写真付きのレビューが豊富なので、メニューが読めなくても料理のイメージが掴みやすいのも特徴です。お店の住所をコピーして、地図アプリに貼り付ければすぐに道案内を開始できます。

大众点评や美团では観光地の入場チケット購入も可能です!
3. 地図・ナビゲーションアプリ
- 百度地图 (Baidu Maps) と 高徳地図 (Amap/Gaode Maps):中国国内ではGoogleマップが使えないため、この二つの地図アプリは絶対に必要です。公共交通機関の乗り換え案内、徒歩ルート、リアルタイムの交通情報など、その精度と情報量は日本の地図アプリ以上かもしれません。
これらのアプリを旅行前にダウンロードし、アカウント登録やパスポート認証を済ませておくだけで、現地での旅が格段にスムーズになります。
アプリ名 | 主な機能 | 日本人留学生への重要ポイント |
携程 (Ctrip) / 同程 (Tongcheng) | 統合旅行サービス(航空券、鉄道、ホテル、観光地チケット予約) | 外国人宿泊可能なホテルの絞り込み検索が可能。トラブル時の日本語サポートが期待できる場合もある。 |
铁路12306 (Tiělù 12306) | 中国国鉄公式アプリ(鉄道チケット予約、運行状況確認) | 利用には事前のパスポート実名認証が必須。旅行計画の早い段階で認証を完了させておくこと。 |
大衆点評 (Dàzhòng Diǎnpíng) | 口コミ・生活情報サービス(飲食店、観光地、店舗検索) | 観光客向けではない、地元のリアルな人気店を発見できる。写真が豊富で注文の助けになる。 |
百度地图 (Bǎidù Dìtú) / 高徳地図 (Gāodé Dìtú) | 地図・ナビゲーション | 中国国内での移動に必須。公共交通機関の乗り換え案内が非常に正確で詳細。 |
注意!外国人が立ち入れないエリア
中国のほとんどの場所は自由に旅行できますが、一部の地域では、安全保障や国境管理などの理由から、外国人の立ち入りが制限・禁止されています。こうしたエリアの存在を知っておくことは、無用なトラブルを避けるために非常に重要です。
1. 外国人が立ち入りのエリアとは?
我々が中国国内で旅行する際に、我々外国人が立ち入れない観光地があることも事実です。主に軍事施設や国境地帯に多く、政府が公式なリストを発表しているわけではないため、事前にすべてを把握するのは難しいのが現状です。状況は変わりやすく、昨日まで入れた場所が今日から突然立ち入り禁止になることもあります。
実際ぼくが旅行に行った際、立ち入れなかった観光地を例として紹介します。
- 海南省翡翠湖:エメラルドグリーンの塩湖が美しい人気の観光名所です。団体ツアーの内容には含まれていたのですが、外国人は立ち入り禁止と伝えられ、キャンセルになりました。
これらの地域への旅行を計画する際は、最新の情報をブログなどで探しつつ、最終的には現地の旅行会社に問い合わせるのが最も確実です。

小红书等で外国人の旅行記録を見ると参考になるかもしれません!
2. 特に注意が必要な地域:新疆ウイグル自治区
新疆ウイグル自治区は、日本の外務省から「レベル1:十分注意してください」という危険情報が出されている地域です。過去に暴動や事件が発生しており、現在も非常に厳重な警備体制が敷かれています。
旅行自体は可能ですが、以下の点に注意してください。
- 頻繁な検問:都市間の移動道路や街の至る所に検問所があり、パスポートの提示や荷物検査、時にはスマートフォンの内容確認を求められることがあります。
- 写真撮影の制限:警察官、軍関係者、政府の建物、検問所などの撮影は絶対にやめましょう。スパイ行為と誤解され、深刻なトラブルに発展する可能性があります。
- 旅行計画の説明:検問で質問された際に、自分の旅行計画(どこへ行き、どこに泊まり、何をするのか)をはっきりと説明できるように準備しておきましょう。
中国の辺境地域への旅行は、政治的な状況によって急に行けなくなることもあります。計画には余裕を持ち、いかなる場合も当局の指示に冷静に従う姿勢が大切です。
日本人だからこそ気をつけたいこと
中国の人々の多くは親日的で、普段の生活で日本人だからといって嫌な思いをすることはほとんどありません。しかし、両国間には複雑な歴史があることも事実です。無用なトラブルを避け、良い関係を築くためにも、日本人として知っておくべきことがあります。
1. 歴史や政治の話題は慎重に
公共の場や、まだ親しくない人との会話では、日中間の歴史問題、政治体制、領土問題といったデリケートな話題に自分から触れたり、批判的な意見を述べたりするのは絶対にやめましょう。もし相手から話を振られても、深く議論するのではなく、聞き役に徹するか、「個人的な意見はありません」と穏やかに話題を変えるのが賢明です。
中国で生活する上で気をつけるべきことは、以下の記事にまとめてあります!

2. 歴史的な施設を訪れる時のマナー
南京大虐殺記念館のような歴史的な施設を訪れる際は、厳粛で敬意を持った態度が求められます。館内でのおしゃべりや笑顔、不適切な写真撮影は、周囲の人々の感情を深く傷つける行為です。追悼の意を持って、静かに見学しましょう。歴史的な施設では、日本語を話すことも控えるのが最善です。ぼくも南京大虐殺記念館に行った際は、なるべく日本人ということを悟られないようにしていました。


3. 使ってはいけない言葉
旧日本軍が使った言葉や、歴史的に侮蔑的な意味を持つ単語は、絶対に使ってはいけません。「支那」や「満州」といった呼称は、相手に深刻な不快感を与えます。また、日本語が分からないだろうと安易に考え、公共の場で中国に関する否定的な発言をすることもやめましょう。
安全と健康のために!トラブルを未然に防ぐ知識
中国の主要都市の治安は比較的良いですが、観光客を狙った詐欺やスリ、日本とは違う衛生環境など、注意すべき点はたくさんあります。安全な旅のために、トラブルを未然に防ぐ知識を身につけましょう。
1. よくある詐欺と盗難の手口
外国人旅行者、特に断るのが苦手な日本人の特性を狙った巧妙な詐欺があります。
- 可愛い動物詐欺:可愛い赤ちゃんの動物を見せてきて、「抱っこしてみる?」と聞かれます。抱っこして、写真などを撮った後QRコードを出されてお金を請求されます。料金はそれほど高くないですが、心理的にダメージを受けます。
- 偽警官:警察官のふりをして「パスポートを見せろ」「麻薬検査だ」などと言って財布の提示を求め、現金を抜き取る手口です。本物の警察官が路上で罰金などの現金を要求することはまずありません。怪しいと思ったら、すぐにその場を離れて日本大使館や本物の派出所に連絡しましょう。
- スリ・置き引き:地下鉄の駅や車内、混雑した観光地など、人が多い場所で多発します。北京や上海、深圳など発展した地域は比較的安全ですが、田舎の地方に行く際は特にリュックサックは前に抱える、貴重品は内ポケットに入れる、荷物から絶対に目を離さない、といった基本的な対策を徹底してください。

可愛い動物詐欺は僕が実際に引っかかった詐欺です…
2. 食べ物・飲み水と衛生管理
日本とは衛生環境が違うため、健康を守るためには飲食に注意が必要です。
- 飲料水:水道水を直接飲むのは絶対にやめましょう。飲み水は、必ず未開封のペットボトル入りのミネラルウォーターを買うか、水道水を3〜5分間しっかり沸騰させたものを利用してください。
- 食事:食中毒を防ぐため、「十分に加熱されたものを食べる」ことが基本です。
- 屋台やローカル食堂:衛生状態をよく見て、お客さんが多く、繁盛している店を選びましょう。
- 生もの:生野菜(サラダ)やカットフルーツ、火の通りが不十分な肉や魚介類は、避けるのが賢明です。果物は自分で皮をむいて食べるのが一番安全です。
- 手指の衛生:食事の前には必ず石鹸で手を洗うか、アルコール消毒剤を使う習慣をつけましょう。
もしもの時のために!緊急対応マニュアル
どんなに気をつけていても、予期せぬトラブルに遭う可能性はあります。パスポートをなくしたり、急に病気になったりした時に冷静に対応できるよう、具体的な手順と連絡先を事前に知っておきましょう。
1. パスポートを紛失・盗難されたら
パスポートを失くすと、日本に帰るために非常に時間のかかる手続きが必要になります。以下の手順を落ち着いて進めてください。
- 最寄りの派出所へ:まず、最寄りの警察署(派出所)へ行き、被害届を出します。ここで「报案证明(事件受理証明書)」という書類をもらいます。
- 公安局出入境管理局へ:次に、その都市の公安局出入境管理局へ行き、「报案证明」を提出して「护照报失证明(パスポート紛失証明書)」を発行してもらいます。
- 日本大使館・総領事館へ:上記2つの証明書と写真などを持って、管轄の日本大使館または総領事館へ行きます。ここで、新しいパスポートか、日本への帰国にのみ使える「帰国のための渡航書」を申請します。
- 再度、公安局で出国ビザを申請:新しいパスポートや渡航書を受け取っても、それだけでは中国を出国できません。もう一度、公安局出入境管理局へ行き、出国するためのビザ(査証)を申請する必要があります。このビザの発給にも数日かかります。
このすべての手続きには、最短でも1週間以上かかることが多く、その間の滞在費や飛行機の変更費用も発生します。予定通りには帰国できないことを覚悟しておきましょう。
2. 病気・怪我をしたら
- 病院の選び方:北京や上海などの大都市には、日本語や英語が通じる外国人向けの病院や、公立病院の「国際部」があります。これらは医療レベルが高いですが、治療費は非常に高額です。
中国留学中の保険については、以下の記事で詳しく解説しています。

3. 緊急連絡先
いざという時のために、以下の連絡先をスマホや手帳に控えておきましょう。
種別 | 機関名 | 電話番号 | 備考 |
国内緊急通報 | 警察(公安局) | 110 | 犯罪被害、緊急事態 |
消防 | 119 | 火災 | |
救急車 | 120 (または 999 北京) | 急病、怪我 | |
交通事故 | 122 | 交通事故専門 | |
日本の在外公館 | 在中国日本国大使館 | (010) 8531-9800 | 北京市、天津市、河北省、山西省、内モンゴル自治区、河南省、湖北省、湖南省、青海省、新疆ウイグル自治区、チベット自治区、寧夏回族自治区、甘粛省、陝西省 |
在上海総領事館 | (021) 5257-4766 | 上海市、江蘇省、浙江省、安徽省、江西省 | |
在広州総領事館 | (020) 8334-3009 | 広東省、福建省、海南省、広西チワン族自治区 | |
在瀋陽総領事館 | (024) 2322-7490 | 遼寧省(大連市除く)、吉林省、黒竜江省 | |
在重慶総領事館 | (023) 6373-3585 | 重慶市、四川省、雲南省、貴州省 | |
在青島総領事館 | (0532) 8090-0001 | 山東省 | |
在香港総領事館 | (852) 2522-1184 | 香港特別行政区、マカオ特別行政区 |
注:各大使館・総領事館は、閉館時間でも緊急の事件・事故には対応してくれます。
おわりに:しっかり準備して、中国を楽しもう!
ここまでたくさんの注意点を読んできて、中国旅行はなんだか大変そう…と感じたかもしれません。確かに、パスポートの携帯義務や、ホテル・交通機関の外国人特有のルールなど、日本では考えなくても良いことがたくさんあります。
でも、これらのルールやその背景を知ることは、決して旅の楽しさを邪魔するものではありません。むしろ、現代中国という国の仕組みを肌で感じ、より深く理解するための面白いチャンスでもあります。なぜパスポートがそんなに重要なのか、なぜホテルが公安のシステムと繋がっているのか。その一つ一つを知ることは、ただ観光地を巡るだけでは得られない、リアルな学びになるはずです。
留学生という素晴らしい立場にいる皆さんだからこそ、安全管理をしっかり行い、敬意と好奇心を持ってこの広大な中国を探求してください。しっかり準備をすれば、たくさんのルールの先にある、中国の圧倒的な魅力と、そこに住む人々の温かさにきっと出会えるはずです!
また中国留学に関する質問は、いつでも各種SNSで受け付けているので気軽に質問してください!
それでは、再见!👋