こんにちは、トモキです!
今回は、ぼくが中国でインターンシップした経験をもとに「インターンシップビザの申請方法」について紹介します!
ぼくは北京外国語大学の3年生の時にインターンシップを開始しました。この記事が、少しでもこれから中国留学を考えている方、中国留学中の方の参考になれば嬉しいです!
※ビザに関する規定や法律は随時変更になる可能性があります。こちらの記事のみでなく、ご自身でも最新情報をチェックしてください!ビザ申請に関するすべての結果に対して責任を負いかねます。
実際に北京のコンサルティング会社でインターンシップをした話はこちらから!
はじめに:そのインターン、本当に大丈夫?キャリアの扉を開く「黄金のチケット」を手に入れよう!
こんにちは!中国で留学生活を送る皆さん、そしてこれから留学を考えている皆さん。急速に変化し続ける中国でのインターンシップは、あなたのキャリアにとって、間違いなく大きなプラスになりますよね。
世界経済の最前線でスキルを磨き、磨き上げた中国語をビジネスの現場で試し、グローバルな人脈を築く…考えただけでもワクワクしませんか?
でも、ちょっと待ってください。その大きな一歩を踏み出す前に、絶対に知っておかなければならない、とても大切なことがあります。それが、今回のテーマである「実習加注」(shíxí jiāzhù)という手続きです。
「なんだか難しそう…」「面倒な手続きはちょっと…」と感じるかもしれません。でも、これは単なる事務手続きではありません。「実習加注」は、あなたの中国での貴重な経験を法的に守り、安全で有意義なものにするための、まさに「黄金のチケット」なんです。
この記事を読めば、その「黄金のチケット」を確実に手に入れるための全てがわかります。
1つずつ一緒にインターンシップへの準備を始めましょう!
知らないと本当にマズい!「実習加注」の法的ルールと不法就労の落とし穴
まず、一番大事なことからお話しします。「実習加注」は、「できればやった方がいい」ものではなく、「絶対にやらなければならない」法的な義務です。この理由をしっかり理解することが、すべての基本になります。
1. そもそも「実習加注」って何?法律でこう決まっています
「実習加注」のルールは、『中華人民共和国外国人入境出境管理条例』の第22条という法律で、はっきりと定められています。
「持学习类居留证件的外国人需要在校外勤工助学或者实习的,应当经所在学校同意后,向公安机关出入境管理机构申请居留证件加注勤工助学或者实习地点、期限等信息。」
(超訳: 留学生が学校の外でインターンをするなら、必ず大学のOKをもらってから、公安局(警察のようなところ)で、今持っている居留許可に「どこで、いつまでインターンします」っていう情報を追記してもらわないとダメですよ。)
ポイントは2つです。
- これは就労ビザ(Zビザ)とは全くの別物。「実習加注」は、あくまで留学生の「学習活動の一環」としてインターンを認めてもらう手続きです。
- 法律に「学校の同意を得た後」と書かれているのが超重要!つまり、大学は国から「この学生がインターンしても問題ないか、ちゃんとチェックしてくださいね」というお墨付きをもらっている、いわば法的な「門番(ゲートキーパー)」なんです。
大学が成績や専攻との関連性を厳しくチェックするのは、この法的な責任があるから。大学のルールは、国の法律に基づいた、交渉の余地がない絶対的なルールだと理解してくださいね。
2. ⚠️ 警告:軽い気持ちが招く、不法就労の深刻すぎる結末
もし「実習加注」なしでインターンをしたら…?それは、単なる「うっかりミス」では済みません。明確な「不法就労」という犯罪になってしまいます。具体的には、こんなケースが当てはまります。
- 「実習加注」の手続きを一切せずにインターンをする。
- 許可された期間や会社以外で働く。
これがバレてしまうと、『中華人民共和国出入国管理法』に基づいて、とんでもなく重いペナルティが待っています。
- あなた自身への罰則:5,000元〜20,000元(約10万〜40万円)の罰金。悪質な場合は、罰金に加えて5日〜15日の拘留。最悪の場合、国外退去処分になり、1年〜5年間は中国に再入国できなくなる可能性も…。
- 会社側への罰則:あなたを雇った会社も、1人につき10,000元(約20万円)の罰金(最大10万元)を科されます。
ここで気づいてほしいのは、リスクはあなたと会社、両方にあるということ。つまり、会社に書類をお願いするとき、あなたは「お願いする弱い立場」ではなく、「お互いの法的リスクを避けるための、対等なパートナー」として話せるのです。
もし会社が「面倒だ」「そんなのいらないよ」なんて言ってきたら、それは超危険なサイン!その会社は法律を知らないか、あなたを安く使おうとしている可能性があります。手続きに協力してくれるかどうかは、その会社が信頼できるかを見極めるための、最初のテストだと考えましょう。
あなたは大丈夫?インターンを始める前にクリアすべき「3つの条件」
さて、インターンのオファーをもらって一安心…といきたいところですが、その前に大学という「門番」が設定した関門をクリアする必要があります。インターンがあなたの学業のプラスになることを証明するための、大切な条件です。
- 学業成績:多くの大学では、良い成績をキープしていることが大前提。特に、必修科目に落第点がないことが求められます。北京大学のように、学部生は留学生の中で成績が上位50%以内でなければならない、という厳しいルールがある大学も。
- 専攻との関連性:インターンの内容が、あなたの専攻や研究と関係があること。これは、インターンが遊びではなく「学びの一環」であることを示すために、ほぼ全ての大学で必須とされています。
- 在籍状況と素行:有効な学生ビザ(居留許可)を持っていること、そして中国の法律や大学のルールを破ったことがないこと。品行方正であることは、大学があなたを推薦するための基本中の基本です。
大学がこれらの条件を設けるのは、「学生の第一の役目は勉強である」と考えているからです。インターンは、あくまでその勉強を深めるための「実践の場」。もしインターンのせいで成績が下がったり、授業に出なくなったりしたら、本末転倒ですよね。
だからこそ、申請するときは「働きたいです!」という熱意だけでなく、「このインターンは、私の専門分野の学びをこんなに深めてくれるんです!」という教育的な価値をアピールすることが、承認を得るための賢い戦略になります。
これで迷わない!インターンビザ申請「6つのステップ」完全ロードマップ
いよいよ具体的な申請プロセスの解説です。国が定めた大枠は同じですが、細かいルールは都市や大学によって違うので、あくまで一般的な流れとして参考にしてください。
ステップ1:インターンシップのオファーをもらう
全ての始まりはここから!会社から正式な内定をもらい、働く期間や場所、仕事内容が確定したら、すぐに次のステップへ進みましょう。
ステップ2:自分の学部の担当者に連絡する
大学での最初のアクションは、所属する学部(学院)の留学生担当の先生や、指導教員に連絡することです。ここでまず、インターンがあなたの専攻と関連しているか、成績は問題ないかなどがチェックされます。
ステップ3:必要な書類を集め始める
先生の指示に従って、申請に必要な書類の準備をスタート!自分で書くもの、会社に書いてもらうもの、大学にハンコをもらうものなど、いくつか種類があります(詳しくは次の章で!)。
ステップ4:大学の留学生オフィスに書類を提出する
全ての書類が揃ったら、大学の留学生全体を管理している部署(留学生办公室など)に提出します。ここが、大学としての最終的なGOサインを出す、とても重要な場所です。
ステップ5:大学から「公安局へ行ってよし!」の許可証をもらう
留学生オフィスでの審査をクリアすると、ついに大学から公安局へ申請するための正式な書類(「実習同意函」など)がもらえます。ここまで来れば、大学内の手続きは完了です!
ステップ6:公安局の窓口で最終申請!
大学からもらった全ての書類を持って、あなたが住んでいるエリアを管轄する公安局の出入国管理局へ。ここで最終的な申請を行い、無事に審査が通れば、あなたのパスポートに貼られている居留許可のページに、インターン情報が「加注」されます。このハンコをもらって初めて、合法的にインターンをスタートできます!
💡超重要ポイント:あなたの大学こそが「唯一の正解」
ここで絶対に覚えておいてほしいのは、中国全土で全く同じ申請プロセスは存在しないということです。北京と上海、広州では、必要なステップや書類が微妙に違うことがあります 2。
ネットで他の人の体験談を探すのも良いですが、情報が古かったり、あなたの状況とは違ったりする可能性も。だからこそ、あなたの大学の留学生オフィスが、唯一絶対の、100%信頼できる情報源です。彼らは、複雑なルールを乗りこなすための、あなたにとって最高の「ナビゲーター」。困ったら、まず彼らに相談しましょう!

もう書類で悩まない!申請に必要な全書類リスト&書き方徹底ガイド
申請プロセスで一番大変なのが、この書類準備かもしれません。でも大丈夫!どんな書類が必要で、誰が何を準備するのかを整理すれば、スムーズに進められます。
1. 書類は大きく3種類!


- 自分で用意するもの (Personal Documents)
- パスポート(原本とコピー)
- 証明写真(「2インチ、白背景」など細かい指定があるので注意!)
- 臨時宿泊登記表(住んでいる場所を証明する紙。有効期限に注意!)
- 会社にお願いするもの (Company-Provided Documents)
- インターンシップ受入同意書や契約書
- 会社の情報を書くための大学や公安局指定のフォーム
- 大学に発行・承認してもらうもの (University-Issued/Approved Documents)
- 大学内部で使う申請書
- 公安局に提出するための、大学からの正式な推薦状
- 大学のハンコが押された、公安局の公式申請書
2. 申請書類チェックリスト【保存版】
この表を使えば、誰が何を準備すればいいか一目瞭然!ミスを防ぐためのチェックリストとして活用してください。
書類名(日本語) | 中国語の名称例 | 準備する人 | ⚠️ ここに注意!よくある落とし穴 |
公安局の申請フォーム | 外国人签证证件申请表 | 学生が記入、大学・企業が押印 | 絶対に手書きで修正しないこと! 指定されたExcelファイルなどでPC入力が基本です。全ての書類と情報(名前、会社名、期間)を1文字も間違えずに一致させてください。 |
会社の受入同意書 | 同意接収実習証明 / 实习合同 | 企業 | インターンの期間、場所、仕事内容をはっきり書いてもらいましょう。会社の公印(赤い丸いハンコ)が必須です。社長のサインだけではダメなことが多いです。 |
大学の同意書 | 国际学生校外实习同意函 | 大学(留学生オフィス) | 大学内の手続きが全部終わった後にもらえる、公安局に提出するための最重要書類の一つです。 |
大学内での申請書 | (大学による)留学生加注实习申请表 | 学生が記入、自分の学部が署名・押印 | 大学内で一番最初に提出するフォーム。ここに書いた情報が全ての書類の元になるので、超正確に! |
パスポートと居留許可 | 护照 & 居留许可 | 学生 | 有効期限を今すぐ確認! インターンの終了日は、今持っている居留許可の有効期限を絶対に超えられません。 |
臨時宿泊登記表 | 境外人员临时住宿登记表 | 学生(住んでいる場所の派出所/ホテルで取得) | 有効期限切れに要注意! 引っ越したらすぐに更新が必要です。これが原因で申請が遅れるケースが本当に多いです。 |
証明写真 | 证件照片 | 学生 | サイズ(2インチ)、背景(白)、撮影時期(6ヶ月以内)など、公安局の厳しいルールを守りましょう。 |
申請前に最終チェック!見落としがちな5つの重要ルール
書類と並行して、絶対に知っておくべき重要ルールがあります。これを知らないと、せっかく準備したのに申請が却下…なんてことにもなりかねません。
1. 全ての情報を「完璧に」一致させる
全ての書類に書くあなたの名前、パスポート番号、会社名、住所、期間などは、一字一句、完全に同じでなければなりません。会社の名前を省略したり、通称で書いたりするのは絶対にNG。パスポートや営業許可証に書かれている正式名称で統一してください。ほんの少しの違いでも、窓口で突き返される原因になります。
2. インターン期間には「上限」がある
インターン期間は、好きなだけ設定できるわけではありません。
- 最重要ルール:インターンの終了日は、あなたの居留許可の有効期限より後にはできません。
- 大学・都市のルール:1回の申請で許可されるのは最長6ヶ月まで、などと決まっていることが多いです。
- 卒業生特別ルール:卒業を控えている学生は、卒業手続きに影響が出ないよう、大学が「卒業日の2週間前までにインターンを終えること」といった独自の期限を設けている場合があります。
3. 時間との戦い!申請は「超早めに」
「まだ時間はあるし…」という油断は禁物です!
- 公安局での手続き:通常、7〜15営業日かかります。土日祝日は含まないので、実際には2〜3週間以上かかることも。
- 大学内での手続き:公安局に行く前の、大学内での承認にも1週間以上かかるのはザラです。
逆算すると、インターン開始日の最低でも3週間前、できれば1ヶ月前には大学に最初の連絡をするのが理想です。オファーをもらったら、その日のうちに動き出すくらいの気持ちでいましょう!
4. お金の話は超デリケート!各大学ごとに確認必須!
これは法的にとても大切なポイントです。「実習加注」は、あくまで「学び」としてのインターンを許可するもので、「仕事」を許可するものではありません。会社からもらう給料については、各大学の留学生オフィスに再度確認してください。
2015年同济大学外国留学生校外教学实习活动管理办法
- OKなもの:交通費や食費など、かかった費用を補うための「手当・補助金」(补贴, bǔtiē)。
- NGなもの:働いたことへの対価である「給与・賃金」(工资, gōngzī)。
同済大学の2015年の記事には、このように「給料(工资)の受け取りは禁止」と記載されていますが、2025年北京外国語大学では、給料を伴うインターンシップも許可されていました。
自分を守るためにも、契約書を結ぶ前に必ず学校の担当者に相談してください。
5. その他、知っておきたいこと
- 居留許可の延長と同時申請:多くの場合、同時に手続きできます。事前に留学生オフィスに確認しましょう。
- 申請費用:加注だけを単独で申請する場合、200元(約4,000円)程度の費用がかかることがあります。
- インターン先を変える場合:残念ながら、またゼロから全ての申請手続きをやり直す必要があります。
結論:インターンシップを始めよう!ビザ申請の最終チェックリスト
中国でのインターンシップは、あなたの未来を大きく変える、かけがえのない経験になるはずです。そして、その素晴らしい経験は、法律というしっかりした土台の上にあってこそ、本当に価値あるものになります。「実習加注」は、まさにその土台そのものなのです。
成功の鍵は、①「実習加注」は絶対!と心に決めること、②とにかく早め早めに行動すること、③大学の留学生オフィスを最強の味方につけること、この3つです。
あなたの挑戦が、安全で実りあるものになることを心から応援しています!最後に、出発前の最終チェックリストを用意しました。全ての項目にチェックを入れて、最高の冒険に旅立ちましょう!
✅ 最終チェックリスト
- インターンの正式なオファーをもらった!
- すぐに大学の学部の担当者に連絡した!
- 大学の留学生オフィスに、給料を受け取ることは可能か確認した!
- 必要な書類(自分・会社・大学)を全部、正確に準備した!
- 全ての書類で、名前や会社名、期間などの情報が完璧に一致していることを確認した!
- 自分の居留許可の有効期限を確認し、インターン期間がその範囲内であることを確認した!
- 手続きにかかる時間を考えて、十分な余裕を持って申請を始めた!
- 会社と大学から、必要なハンコとサインを全部もらった!
もし何か少しでもわからないことがあったら、自分で判断せず、必ず大学の留学生オフィスに相談してくださいね!また、気軽にぼくのところにも相談してください!