こんにちは、トモキです!中国留学の準備、順調に進んでいますか?
期待で胸がいっぱいな一方、「予防接種って、受けた方がいいのかな…?」「種類が多すぎて、どれが必要なのか分からない!」「費用はどれくらいかかるの?」など、たくさんの疑問や不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。
3年前に留学準備をしていた僕も、当時は同じ悩みを抱えていました。
そこでこの記事では、これから中国留学を考えているあなたが、予防接種に関する正しい知識を身につけ、自分に合ったベストな選択ができるようになることをゴールに、情報を分かりやすく整理しました。
この記事を読めば、以下のことがスッキリ分かります。
- 公的機関が推奨している予防接種の種類
- 各種ワクチンの費用と接種スケジュール
- ビザ申請に必要な「健康診断」と「予防接種」の決定的な違い
- 予防接種を受けるかどうかの判断基準
この記事の大きなポイントは、ビザ申請のために「絶対にやらなければいけない手続き」と、あなた自身の健康を守るために「任意で検討する手続き」をハッキリ区別して解説すること。この違いが分かれば、頭の中がクリアになり、落ち着いて準備を進められますよ。
それでは、一緒に見ていきましょう!
公的機関はなんて言ってる?中国留学で推奨される予防接種
まず最初に、一番信頼できる情報源である日本の公的機関、つまり外務省(MOFA)や厚生労働省検疫所(FORTH)の見解から確認していきましょう。
これらの機関が、中国へ長期間滞在する人(留学生や海外赴任者)に推奨している主な予防接種は、A型肝炎、B型肝炎、破傷風の3つです。
さらに、あなたが滞在する地域や、現地での過ごし方によっては、日本脳炎や狂犬病の接種も検討した方が良いとされています。その他、腸チフスや、子どもの頃に受けそびれている可能性のある麻しん・風しん(MR)などもリストアップされています。
ここで一番大切なことをお伝えします。
それは、これらの予防接種は、あくまであなたの健康を守るために「受けた方が良いですよ」という「推奨」であって、ビザの取得や中国への入国のために法的に「義務付けられている」ものではない、ということです。
公的機関の推奨リストは、全員が同じように全部受けるべき、というものではありません。
例えば、FORTHはA型肝炎、B型肝炎、破傷風を基本セットとしていますが、狂犬病や日本脳炎は「動物と触れ合う機会が多い」「農村部に滞在する」といった特定の条件に当てはまる人に推奨しています。
つまり、予防接種について考えることは、「自分が中国でどんな生活を送るか」を具体的にイメージすることから始まります。
北京や上海の都心部だけで生活するのか、それとも休日には地方の農村エリアへ旅行してみたいのか。それによって、感染症にかかるリスクは変わってきます。例えば、日本脳炎はブタを飼育している農村部で蚊を介して感染するリスクがありますし、狂犬病は都市部でも犬や猫に噛まれることで感染する可能性があります。
まずは下の表で、どんなワクチンがなぜ推奨されているのか、全体像を掴んでみてください。
表1: 公的機関が推奨する主な予防接種
ワクチン名 | 予防する病気 | 主な推奨理由と感染経路 |
A型肝炎 | A型肝炎 | 汚染された食べ物や水から感染。日本では抗体を持つ人が少なく、大人がかかると重症化しやすい。 |
B型肝炎 | B型肝炎 | 血液や体液を介して感染。中国は日本よりウイルス保有者の割合が高いと言われている。 |
破傷風 | 破傷風 | 土の中にいる菌が傷口から入って感染。ケガはどこでもする可能性があるため。 |
日本脳炎 | 日本脳炎 | ウイルスを持つ蚊に刺されて感染。特に農村部や夏にリスクが高まる。 |
狂犬病 | 狂犬病 | 感染した動物(犬、猫など)に噛まれて感染。発症すると、ほぼ100%助からない。 |
腸チフス | 腸チフス | 汚染された食べ物や水から感染。衛生状態が心配な地域に長期滞在する場合に推奨。 |
どのワクチンにいくらかかる?費用とスケジュールを徹底解説!
さて、どんなワクチンが推奨されているか分かったところで、次は一番気になる「費用」と「スケジュール」について、具体的に見ていきましょう。
予防接種の計画を立てる上で、絶対に知っておいてほしい注意点が2つあります。
- 時間的な余裕を持つこと:多くのワクチンは、十分な免疫をつけるために複数回接種する必要があり、完了までに数ヶ月かかります。留学が決まってから慌てて準備を始めると、出発までに間に合わないことも。留学を考え始めたら、なるべく早い段階で計画を立てるのが成功のカギです。
- 費用は全額自己負担であること:海外渡航のための予防接種は、健康保険が適用されません。つまり、全額自己負担です。複数のワクチンを接種すると、総額で10万円を超えることも珍しくなく、留学費用の中でも大きな出費になります。
この「時間」と「費用」を頭に入れた上で、それぞれのワクチンの詳細を見ていきましょう。
1. A型肝炎
- どんな病気?:ウイルスに汚染された水や食べ物を口にすることで感染します。屋台での食事や地方への旅行では注意が必要です。日本では抗体を持っていない若者が多く、大人が感染すると症状が重くなる傾向があります。
- スケジュールと費用:
- 国産ワクチン:2〜4週間隔で2回、さらに初回から約6ヶ月後に3回目を接種するのが一般的。完了まで約半年かかります。3回打てば、約5年間は効果が続きます。
- 費用は1回8,000円〜10,000円ほど。3回で合計24,000円〜30,000円が目安です。
2. B型肝炎
- どんな病気?:感染者の血液や体液を介して感染します。性交渉のほか、衛生管理が不十分な場所での医療行為やピアスの穴あけなどでも感染リスクがあります。中国は日本よりウイルス保有者の割合が高いとされているため、長期滞在者には注意が必要です。
- スケジュールと費用:
- 初回、その4週間後、さらに初回から約5〜6ヶ月後に3回目を接種するのが標準的。こちらも完了まで約半年かかります。
- 費用は1回5,000円〜8,000円ほど。3回で合計15,000円〜24,000円が目安です。
3. 破傷風
- どんな病気?:世界中の土の中にいる菌が、ケガをしたときの傷口から入って感染します。転んで擦りむいたり、錆びたもので切ってしまったり、日常のささいなケガが原因になることも。
- スケジュールと費用:
- 多くの人は子どもの頃に三種混合などで接種済みですが、最後の接種から10年以上経っている場合は、免疫が弱まっている可能性があります。
- その場合、1回の追加接種(ブースター接種)でOK。約10年間、効果が持続します。
- 費用は1回3,000円〜5,000円ほどです。
4. 日本脳炎
- どんな病気?:ウイルスを持つ蚊に刺されることで感染します。特に養豚場が近くにある農村部でリスクが高まります。発症すると命に関わったり、重い後遺症が残ったりすることがあります。
- スケジュールと費用:
- 日本では子どもの頃に定期接種として受けている人がほとんどです。母子健康手帳で自分の接種歴を必ず確認しましょう。
- もし接種歴がなかったり、不十分だったりする場合は、医師に相談が必要です。
- 任意で接種する場合の費用は、1回5,000円〜9,000円ほどです。
5. 狂犬病
- どんな病気?:ウイルスを持つ動物(主に犬ですが、猫やコウモリなども)に噛まれたり、引っ掻かれたりすることで感染します。一度発症すると、致死率はほぼ100%という、非常に恐ろしい病気です。北京や上海のような大都市でも感染例は報告されています。
- スケジュールと費用:
- 噛まれる前に予防的に接種する場合、初回、7日後、21日後または28日後の合計3回の接種が必要です。完了まで約1ヶ月かかります。
- 費用は非常に高額で、1回15,000円〜20,000円ほど。3回接種すると合計で45,000円〜60,000円にもなります。
6. 留学準備に役立つ!予防接種の詳細リスト
ここまで解説した情報を一覧表にまとめました。自分の留学計画と照らし合わせながら、接種計画を立てるのに役立ててください。
表2: 主要な推奨予防接種の詳細リスト
ワクチン名 | 接種回数(目安) | 標準的な接種スケジュール | 1回あたりの費用目安 | 総額の目安 |
A型肝炎(国産) | 3回 | 初回、2-4週後、6ヶ月後 | 8,000円〜10,000円 | 24,000円〜30,000円 |
B型肝炎 | 3回 | 初回、4週後、5-6ヶ月後 | 5,000円〜8,000円 | 15,000円〜24,000円 |
破傷風(追加) | 1回 | 最終接種から10年以上経過した場合 | 3,000円〜5,000円 | 3,000円〜5,000円 |
日本脳炎 | 1〜4回 | 接種歴による(母子手帳を確認) | 5,000円〜9,000円 | 5,000円〜36,000円 |
狂犬病 | 3回 | 初回、7日後、21-28日後 | 15,000円〜20,000円 | 45,000円〜60,000円 |
腸チフス | 1回 | 出発の2週間前までに | 10,000円前後 | 10,000円前後 |
ビザ申請に予防接種は必要?留学手続きのホントのところ
さて、予防接種について詳しくなってきましたが、ここで多くの留学生が混乱するポイント、「ビザ申請と予防接種の関係」についてハッキリさせておきましょう。
結論から言います。
中国の学生ビザ(Xビザ)申請や大学の入学手続きにおいて、予防接種を受けたことの証明は、原則として必須要件ではありません。
では、なぜ「留学には健康診断が必要」とよく言われるのでしょうか?
それは、181日以上の長期留学に必要な「X1ビザ」を取得する場合、中国政府が指定した形式の健康診断を受け、その証明書を提出することが義務付けられているからです。
この「健康診断」と、個人の判断で行う「予防接種」は、全くの別物だと理解してください。
1. 必須手続き:外国人体格検査記録
長期留学する人が必ず準備しなければならないのが、「外国人体格検査記録」という公式の健康診断書です。
- 目的は?:この健康診断の目的は、あなたが結核やHIVといった特定の感染症にかかっていないことを証明し、中国国内の公衆衛生を守ることにあります。あなた個人の健康を守るための予防接種とは、目的が根本的に違います。
- どうやって準備する?:
- フォームを入手する:在中国日本国大使館のウェブサイトなどから指定のフォームをダウンロードします。この時、必ず「両面印刷」で1枚の紙にしてください。片面印刷2枚だと無効になります。
- 病院を予約する:診断は、国公立病院または日中友好病院で受ける必要があります。私立病院や近所のクリニックでは受け付けていないことが多いので、事前に電話で「中国ビザ申請用の健康診断をお願いします」と確認しましょう。
- 受診する:検査項目は、身体測定、血液検査、尿検査、心電図、胸部X線撮影などです。パスポートサイズの証明写真を持参し、フォームに貼り付けた写真と用紙にまたがるように、病院の割印を押してもらうのを忘れないでください。
- 費用と有効期間:
- 費用は病院によりますが、20,000円〜35,000円くらいが目安です。
- この健康診断書の有効期間は、発行日から6ヶ月間です。留学のスケジュールから逆算して、期限切れにならないように計画的に受診しましょう。
この「外国人体格検査記録」のフォームには予防接種の記録を記入する欄がありますが、ここは空白でも全く問題ありません。
つまり、留学手続きの上での必要事項は「指定の健康診断を受けること」であり、「予防接種を受けること」ではないのです。
「接種しない」という選択もアリ?僕の体験談と判断のヒント
ここまで、公的機関による客観的な情報をお伝えしてきました。でも、最終的に予防接種を受けるかどうかの判断は、他の誰でもない、自身で決めるものです。特に、費用や時間のことを考えると、簡単な決断ではありません。
ここでは、私自身の体験談を一つの例としてお話ししつつ、皆さんが自分にとってベストな判断をするための「考え方のヒント」を提案します。
1. 私の体験談:「予防接種ゼロ」で留学したケース
実は私、北京外国語大学への留学にあたり、この記事で紹介した予防接種を一切受けずに渡航しました(コロナワクチンも含む)。その理由は、とてもシンプルです。
- 健康だったから:日本では大きな病気をしたことがなく、自分の体力に自信がありました。
- 費用を節約したかったから:総額10万円以上にもなる予防接種の費用を、現地の生活費や学費に回したいと考えました。
- 周りも受けていなかったから:中国留学に行く友人や先輩に、予防接種を受けずに渡航している人が多かったことも、正直なところ影響しました。
結果として、今まで風邪やインフルエンザにはかかりましたが、A型肝炎や破傷風といった、予防接種で防げるはずの重い病気になることはなく、元気に留学生活を送っています。
ただし、これはあくまで僕個人の例であり、「だからあなたも受けなくて大丈夫!」と言いたいわけでは決してありません。体が弱い方、経済的に余裕がある方、そして何より「万が一」の不安をなくして心から安心して留学生活を送りたい方は、予防接種を受けることを強くお勧めします。
私がこの経験から伝えたいのは、「接種しない」という選択肢も、様々な状況を考えた上での一つの合理的な判断になり得るということです。
2. あなただけの判断基準を作るための5つの質問
予防接種を受けるかどうかの決断は、本当に人それぞれ。それは、あなただけの「リスク対策プラン」を立てるようなものです。病気になるリスクだけでなく、慣れない海外で病気になった時の治療費、言葉の壁、勉強への影響といった「結果のリスク」も考える必要があります。
以下の5つの質問に、あなた自身の言葉で答えてみてください。きっと、自分なりの答えが見えてくるはずです。
- 【健康】自分のカラダと相談しよう
- あなたはもともと体力に自信がある方? それとも、環境の変化で体調を崩しやすい方?
- 【お金】お財布の状況と相談しよう
- 各予防接種の費用は、あなたの留学予算でまかなえそう? もし現地で病気になった場合、治療費を払う余裕はある?病気になった際のために海外保険に入るのも一つの手です!

- 【生活スタイル】どんな留学生活を送りたい?
- 滞在するのは大都市の中心部? それとも地方都市?
- 休日には、衛生環境が違うかもしれない地方へ積極的に旅行してみたい?
- 動物と触れ合う機会は多そう?(狂犬病リスク)
- 蚊の多い夏場に、自然豊かな場所で過ごす時間は長そう?(日本脳炎リスク)
- 【時間】準備期間はどれくらいある?
- 出発まであと何ヶ月? 完了まで半年かかるワクチンのスケジュールを組む時間はある?
- 【性格】あなたの安心ラインはどこ?
- 「万が一」の可能性が少しでもあると、不安で仕方ないタイプ? それとも、確率が低いリスクなら受け入れられるタイプ?
- 予防接種の費用を、「安心を買うための保険料」と考えることができる?
これらの質問に答えていくことで、客観的なデータと、あなた自身の価値観を組み合わせた、納得のいく決断ができるはずです。
まとめ:後悔しないために、あなたに最適な選択を
中国留学の予防接種について、様々な角度から見てきましたが、いかがでしたか?
最後に、あなたが行動に移すための最も重要なポイントをまとめます。
- 「推奨」と「必須」は違う:予防接種はあなたの健康のために強く推奨されていますが、ビザ申請のための必須要件ではありません。
- 健康診断は別物:長期留学の場合、指定された健康診断書の提出は必須です。これは予防接種とは全く別の手続きです。
- 決めるのはあなた自身:最終的にどうするかは、あなたの健康、お金、生活スタイル、そして性格に基づいた個人的な判断です。
- 計画は早めに!:もし接種すると決めたなら、完了まで数ヶ月かかるものが多いので、出発の半年前には計画をスタートさせましょう。
ここまで読んだあなたは、予防接種について十分な知識を身につけ、自分なりの考えを持ち始めているはずです。
万全の準備をして、最高の中国留学をスタートさせてくださいね!応援しています!
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