こんにちは、トモキです!
今回は、中国の大学生活で当たり前のように使われているAIツールについて紹介します。
「中国の大学生って、普段どんなふうに勉強してるの?」と聞かれることが増えてきたのですが、正直に答えると、日本の大学とは全く違う世界が広がっています。何が違うかというと、AIの活用度合いが圧倒的に違うんです。
この記事では、僕が実際に北京の大学で見てきた「中国の大学生がリアルに使っているAIツール」を、授業 → 学習 → 思考・創作という学生生活の流れに沿って紹介していきます。これから中国留学を考えている方に、現地のリアルな学生生活をイメージしてもらえたら嬉しいです!
授業・講義編|ノートを取るという行為が消えつつある

中国の大学の教室に入って驚くのが、自分でノートを取りながら、同時にAIにも授業を記録させている学生が多いことです。手書きのノートは自分の理解を深めるために取る。でもそれと並行して、スマホやタブレットで授業を録音し、AIに文字起こしや要約をさせておく。「自分の努力 × AIのサポート」で学習効率を最大化するというのが、今の中国の大学のスタンダードです。
1. 讯飞听见(シュンフェイ ティンジエン)

讯飞听见は、中国のAI音声技術のトップ企業「科大讯飞(iFLYTEK)」が提供する、AIリアルタイム文字起こしアプリです。中国の大学生にとっては、もはやノートアプリと同じくらい定番のツールになっています。
何ができるか
授業中にスマホで録音ボタンを押すだけで、先生の話がリアルタイムでテキストに変換されていきます。しかもただ文字に起こすだけではなく、話者の識別、段落の自動分割、さらにはAIによる要約まで自動で行ってくれます。
中国語はもちろん、英語、日本語、韓国語、フランス語など複数の言語に対応しているので、留学生にとっても強力な味方です。中国語の授業で先生が話すスピードについていけない時でも、後から文字起こしされたテキストを読み返せるのは本当に助かります。
留学生にとっての実用ポイント
- 授業中に聞き取れなかった部分を、後からテキストで確認できる
- 中国語の聞き取り練習としても使える(音声とテキストを照らし合わせて学習)
- 録音データをそのまま外部のAI(後述する豆包やDeepSeekなど)に渡して、要約やレポートの下書きに活用できる

中国語の聞き取りに自信がない留学生こそ、このアプリは入れておくべきです!
2. 科大讯飞录音笔(iFLYTEK AIレコーダー)

讯飞听见がソフトウェア(アプリ)だとすれば、こちらはハードウェア(専用デバイス)です。科大讯飞が開発したAI搭載の録音ペンで、正直なところ僕の周りで使っている学生はそこまで多くはないのですが、中国国内では非常に有名な製品です。
実は僕、以前に科大讯飞の本社を見学しに行ったことがあるんです。そこで知ったのですが、科大讯飞は中国の教育機関で幅広く採用されていて、大学だけでなく小中高の教育現場でも音声認識技術が導入されています。中国のAI音声技術において最も信頼されている企業の一つであることは間違いありません。
何ができるか
見た目はコンパクトなUSBメモリのような形状で、3.5インチのタッチスクリーンがついています。このデバイスの最大の強みは、インターネットに接続しなくてもオフラインでリアルタイム文字起こしができること。大学の教室はWi-Fiが不安定なことも多いので、ネット環境に依存しない点は非常に大きなメリットです。
プロ仕様のノイズリダクション機能を搭載していて、最大10メートル離れた場所の音声もクリアに拾える指向性マイクが内蔵されています。大教室での講義でも、教壇の先生の声をしっかり録音できます。32GBのストレージで約175時間分の録音が可能なので、容量を気にする必要もほぼありません。
アプリとデバイス、どっちを使う?
多くの学生はスマホアプリの讯飞听见で十分だと思います。ただ、スマホのバッテリーを消費したくない人や、録音の音質にこだわりたい人には、専用デバイスの録音笔を検討する価値があります。授業が終わった後、データをパソコンやスマホに転送して、文字起こしされたテキストをもとに復習するという流れは、アプリでもデバイスでも同じです。

科大讯飞は中国のAI業界でもトップクラスの企業。教育分野での実績が圧倒的なので、製品の信頼性は折り紙付きです!
レポート・課題編|思考スピードの差が成績差になる

授業の録音と文字起こしが終わったら、次に待っているのがレポートや課題です。中国の大学は、毎週レポートが出るというほどではないものの、日本と比べると課題の頻度はかなり多いです。複数の科目からレポートやプレゼンの課題が重なる時期もあり、効率的にこなさないと回らなくなります。ここでも中国の学生たちは、AIを積極的に活用しています。
1. 豆包(ドウバオ)

豆包は、TikTokの親会社であるByteDance(字节跳动)が開発したAIチャットボットで、中国で最も使われているAIアシスタントです。2025年末時点で週間アクティブユーザー数は1億5500万人を超えていて、中国のAIチャットボット市場でぶっちぎりの1位です。
なぜ大学生に人気なのか
豆包が学生に支持されている最大の理由は、その万能さにあります。テキスト生成はもちろん、画像生成、プログラミング支援、PDF資料の要約、さらにはAIポッドキャスト生成まで、一つのアプリでほぼ何でもこなせるのが強みです。
レポートを書く時は、まず授業の録音データや資料を豆包に投げて「この内容を要約して」と頼む。そこから「この論点について、賛成と反対の両方の立場から論述して」と深掘りしていく。ゼロから書き始めるのではなく、AIとの対話の中でアイデアを整理し、構成を固めていくというのが、中国の大学生の一般的なレポートの書き方になっています。
2026年2月にはさらに進化した豆包2.0がリリースされ、複雑なタスクを自律的に実行できる「エージェント機能」が搭載されました。単に質問に答えるだけでなく、複数のステップにまたがる作業を自動で処理してくれるようになっています。
留学生にとっての活用法
- 中国語のレポートを書く際、まず日本語で考えをまとめてから豆包に中国語への翻訳と文体の調整を依頼する
- 授業で配られた中国語の論文やPDFを豆包に読み込ませて、要点を日本語で要約してもらう
- プレゼン資料のアウトライン作成や、スライドの構成案を一緒に考える

豆包は無料で使えて、スマホアプリもあるので、中国に着いたらまず入れておきたいアプリの一つです!
2. DeepSeek(ディープシーク)

2025年に世界中で話題になったDeepSeek。日本でもニュースで見た方は多いのではないでしょうか。中国発のAIでありながら、数学やプログラミングなどの論理的思考が必要なタスクにおいて、OpenAIのGPTシリーズに匹敵する性能を持つことで注目を集めました。
中国の大学での位置づけ
DeepSeekは中国の大学教育にも急速に浸透しています。深セン大学、浙江大学、上海交通大学、中国人民大学など、中国の名門大学が次々とDeepSeekを教育に導入しています。AI活用のコースが新設されたり、授業の学習支援ツールとしてDeepSeekが組み込まれたりと、大学側も積極的にAIを取り入れる姿勢を見せています。
豆包との使い分け
学生たちは豆包とDeepSeekを、場面に応じて使い分けています。
| 豆包 | DeepSeek | |
|---|---|---|
| 得意分野 | 文章作成、要約、日常的な質問 | 数学、プログラミング、論理的推論、データの視覚化 |
| 使うシーン | レポートの下書き、翻訳、資料整理 | 数学の課題、コード作成、データ分析、図形・グラフ作成 |
| 特徴 | 万能型、マルチモーダル対応 | 思考力特化、コスパ最強 |
DeepSeekの最大の魅力はコストパフォーマンスです。APIの利用料金はGPT-4oの約20分の1という破格の安さで、高性能なAIを誰でも気軽に使える環境が整っています。個人利用であれば無料で使えるので、学生にとっては最高の学習パートナーです。
もう一つ、僕が個人的にDeepSeekを重宝していたのが図形やグラフの作成です。レポートでデータを視覚化する必要がある時、DeepSeekにデータを渡して「棒グラフで表示して」「円グラフにまとめて」と指示すると、きれいなグラフを作ってくれます。Excelでグラフを作るよりも速いし、見た目も整っているので、レポートの見栄えが一気に良くなります。

理系の課題や数学の問題はもちろん、レポートのデータ視覚化にもDeepSeekはかなり使えます!
中国発AI三本柱|用途別に使い分けるのが普通
豆包とDeepSeekに加えて、中国の大学生がよく使っているAIがあと2つあります。文心一言と通义千问です。この4つが、中国のAIチャットボット市場の「四天王」とも言える存在で、学生たちはこれらを用途に応じて器用に使い分けています。
1. 文心一言(ウェンシン イーイェン)

文心一言は、中国の検索エンジン最大手・百度(Baidu)が開発したAIチャットボットです。日本で言えば「Googleが作ったAI」のような立ち位置で、百度の膨大な検索データと知識ベースをバックボーンに持っています。
特徴と強み
文心一言の最大の特徴は、中国語の文章力が非常に高いことです。中国語のニュアンスや表現の自然さにおいて、他のAIよりも一歩抜きん出ている印象があります。レポートや論文の文章をブラッシュアップしたい時に、特に力を発揮します。
2025年4月には全ユーザーへの無料開放が実施され、学生にとってのアクセスハードルが一気に下がりました。最新のERNIE 5.0では、テキストだけでなく画像・音声・動画を統合的に処理できるマルチモーダルモデルへと進化しています。
学生の使い方
- 中国語のレポートや論文の文体チェック・添削
- 百度検索と連携した情報収集(中国国内の情報に特に強い)
- 長文の要約やアウトライン作成
2. 通义千问(トンイー チエンウェン)

通义千问は、アリババ(阿里巴巴)グループが開発したAIで、最新のQwen3.5は201の言語・方言に対応するなど、多言語対応の幅広さが際立っています。
特徴と強み
通义千问の強みは、アリババのエコシステムとの連携です。淘宝(タオバオ)や钉钉(DingTalk、中国版のSlackのようなビジネスチャット)など、アリババが展開する各種サービスとシームレスに連携できます。中国の多くの大学では钉钉が授業管理や連絡ツールとして使われているため、その延長線上で通义千问を使う学生も多くいます。
技術面では、最新のQwen3.5でAIエージェント機能が大幅に強化され、複雑なタスクの自律実行が可能になりました。オープンソースモデルとしても公開されているため、プログラミングを学ぶ学生がカスタマイズして使うケースも増えています。
学生の使い方
- 钉钉と連携した授業関連のタスク管理
- プログラミング学習のサポート(コードの解説・デバッグ)
- 多言語対応を活かした翻訳や異文化比較の調査
3. 結局、どう使い分ければいいの?
中国の大学生たちが実際にやっている使い分けを、簡単にまとめるとこんな感じです。
| やりたいこと | おすすめのAI |
|---|---|
| 日常的な質問、文章作成、資料要約 | 豆包 |
| 数学の課題、コード作成、論理的思考 | DeepSeek |
| 中国語の文章添削、国内情報の検索 | 文心一言 |
| 多言語翻訳、プログラミング、钉钉連携 | 通义千问 |
重要なのは、「一つのAIに全部任せる」のではなく、場面に応じて最適なツールを選ぶという感覚です。日本ではChatGPTが圧倒的なシェアを持っていますが、中国ではこのように複数のAIを使い分けるのが当たり前になっています。

どれも無料で使えるので、まずは全部試してみて自分に合うものを見つけるのがおすすめです!
正直しんどい中国の大学生活と、AIという現実的な解決策

ここまでAIツールを紹介してきましたが、「なぜここまでAIを使うのか?」という背景についても触れておきたいと思います。答えはシンプルで、中国の大学生活は本当にハードだからです。
課題の量が多い
中国の大学では、レポートやプレゼンの課題が比較的多く出ます。毎週必ず出るというわけではないですが、複数の科目から同時に課題が降ってくる時期があり、そうなると一気にパンクします。特に期末試験の時期は、レポート提出、プレゼン発表、試験勉強が全部重なって、文字通り寝る時間がなくなります。
授業のスピードが速い
中国の大学の授業は、教授が一方的に話し続けるスタイルが多いです。しかもスピードが速い。ネイティブの中国人学生でさえ全部聞き取るのが大変なのに、留学生にとってはなおさらです。だからこそ、録音して後からAIで文字起こしするという方法が合理的な解決策になっているわけです。
留学生にはさらにハンデがある
当然ですが、僕たち留学生は中国語のネイティブスピーカーではありません。レポートを一つ書くにしても、中国人学生の何倍もの時間がかかります。授業を聞く、資料を読む、レポートを書く、全てのプロセスで言語のハンデが乗ってくる。その差を埋めるために、AIは留学生にとって「チート」ではなく「お助けツール」なんです。
AIを使うことへの罪悪感は不要
日本では「AIを使ってレポートを書くのはズルい」という感覚がまだ根強いかもしれません。でも中国の大学では、教授自身が「AIを活用しなさい」と言うケースすらあります。もちろん、AIが生成した文章をそのままコピペして提出するのはNGです。でも、AIを思考の補助ツールとして使い、最終的な判断や編集は自分で行うという使い方は、むしろ推奨されています。
大事なのは、AIに頼りきりになるのではなく、AIを使って浮いた時間を、もっと深い思考や創造的な活動に充てるということ。中国の優秀な学生たちは、まさにそういう使い方をしています。
まとめ|大変なのは事実。でも、AIで効率的に戦える

最後に、この記事で紹介したツールを改めてまとめます。
| カテゴリ | ツール名 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 授業・講義 | 讯飞听见 | AIリアルタイム文字起こしアプリ |
| 授業・講義 | 科大讯飞录音笔 | AI搭載の録音デバイス(オフライン対応) |
| レポート・課題 | 豆包 | 万能型AIアシスタント(中国シェアNo.1) |
| レポート・課題 | DeepSeek | 論理・推論特化型AI(コスパ最強) |
| 思考・創作 | 文心一言 | 中国語の文章力に優れたAI(百度) |
| 思考・創作 | 通义千问 | 多言語対応・プログラミングに強いAI(アリババ) |
中国の大学生活は、正直に言ってかなりハードです。課題の量、授業のスピード、言語のハンデ。留学生にとっては大変なことだらけです。
でも、今の中国にはこれだけのAIツールが揃っています。しかもほとんどが無料で使えます。これらを使いこなせれば、言語のハンデがあっても中国人学生と同じ土俵で戦えるし、場合によっては彼らよりも効率的に学べる可能性すらあります。
僕からのアドバイスとしては、中国に行く前からこれらのツールの存在を知っておくこと。そして、渡航後すぐにインストールして使い始めること。早く使い始めた分だけ、留学生活のスタートダッシュが楽になります。
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