こんにちは、北京外国語大学4年生のトモキです!
グローバル化が進む今、海外留学は多くの学生にとって大切な選択肢の一つです。中でも中国は、近年世界中から注目される留学先として人気が急上昇しています。その一番の魅力は、なんといっても欧米の国々と比べたときのコストパフォーマンスの高さです。
しかし、中国留学の魅力はただ安いだけではありません。世界トップクラスの大学があり、質の高い教育をアメリカやイギリスの数分の一の費用で受けられる点は、大きなポイントです。「費用が手頃」だからといって「教育の質が低い」わけではない、この事実こそが中国留学の本当の価値を示しています。
今回は、中国留学にかかる費用をさまざまな角度から徹底解説します。留学を考え始めたばかりの方から、具体的な計画を立てている方、費用を抑えたい方まで、誰もが自分に合ったリアルな予算を立てられるように、わかりやすく情報をお届けします。留学中の節約術や奨学金についても紹介するので、中国留学に少しでも興味がある方の参考になれば嬉しいです!
中国留学の総費用はいくら? 留学の期間別に見てみよう
中国留学を考えるとき、まず知っておきたいのが総費用のだいたいの金額です。留学費用は期間、滞在する都市、学校の種類によって大きく変わりますが、まずは一般的な目安を把握することが計画の第一歩です。
いろいろな調査によると、1年間の長期留学にかかる総費用は、100万円から200万円が最も一般的な目安とされています。この金額には、学費、滞在費、生活費、渡航費など、留学に必要な主な費用がすべて含まれています。
短期から中期の留学費用は、以下のようになっています。
- 半年間: 80万円~120万円
- 3ヶ月間: 40万円~60万円
- 1ヶ月間: 20万円~40万円
これらのデータを下の表にまとめました。
留学期間別・総費用目安一覧表
留学期間 | 費用の目安 | 含まれる主な費用 |
1ヶ月 | 20万円~40万円 | 学費、滞在費、生活費、渡航費など |
3ヶ月 | 40万円~60万円 | 学費、滞在費、生活費、渡航費など |
半年 | 80万円~120万円 | 学費、滞在費、生活費、渡航費、保険料など |
1年間 | 100万円~200万円 | 学費、滞在費、生活費、渡航費、保険料など |
1. なぜ100万円も差があるの?
年間100万円から200万円という費用の幅を見ると、「計画が立てにくいな」と感じるかもしれません。でも、この最大100万円の差は、中国留学にたくさんの選択肢があるからこそ生まれるもの。この幅を理解することが、賢く留学計画を立てるためのカギになります。
この費用の差が生まれる一番の理由は、「どの都市に住むか」と「どんな家に住むか」という選択の違いにあります。中国は地域によって物価、特に家賃が大きく異なります。例えば、地方都市の大学寮(2人部屋)で生活すれば、年間の総費用は100万円近くに抑えることも夢ではありません。一方で、北京や上海のような大都市で、一人部屋の寮やアパートを選ぶと、費用は200万円か、それ以上になることもあります。
つまり、留学の総費用は決まったものではなく、あなたの目的やライフスタイルに合わせて、自分の選択で大きく変えることができるのです。費用を抑えたいなら地方都市を選ぶのがベストな戦略ですし、大都市での生活を体験したいなら、その分多めに予算を準備する必要があります。この基本を理解すれば、漠然としていた費用のイメージが、具体的な計画へと変わっていくはずです。
費用の内訳を徹底チェック! 渡航前から現地生活まで
留学の全体像が見えたら、次は具体的な予算計画です。そのために、総費用が何にどれくらいかかるのか、一つひとつの項目を詳しく見ていきましょう。ここでは、日本での準備から現地での生活まで、必要な費用をすべて紹介します。
1. 渡航前に日本で必要な費用
留学が始まる前に、日本で準備したり支払ったりする必要がある費用があります。一度だけの出費が多いですが、予算の中でも大きな部分を占めるので、しっかり把握しておきましょう。
航空券
日本と中国は近いので、欧米に行くより航空券は安めです。ただし、時期によって値段は大きく変わります。
- 通常期: 往復で3万円~6万円、または4万円~9万円が一般的な相場です。
- 価格の変動: 最も高くなるのは8月、最も安いのは11月や12月です。旧正月の時期も高くなるので避けるのがおすすめです。
ビザ申請・居留許可
留学のために中国に滞在するには、学生ビザ(Xビザ)が必要です。
- ビザ申請料: 7,000円~16,000円程度かかります。申請を代行業者に頼む場合は、追加で手数料がかかることもあります。
- 居留許可: 181日以上の長期留学(X1ビザ)の場合、中国に入国してから居留許可への切り替え手続きが必要です。この費用として400元~800元(約8,000円~16,000円)がかかります。(1元=20円で換算。以下同様)
海外留学保険
見落としがちですが、これはとても大切な費用です。大学の強制加入の保険のみで費用を抑えることも可能ですが、万が一の病気やケガに備えて、しっかりした補償内容の保険に入っておくことをおすすめします。
- 中国の医療事情: 中国の医療費は、特に外国人が利用する病院では高額になることがあります。
- 保険の種類と費用:
- 中国の大学が提供する保険は年間500元~800元(約10,000円~16,000円)と安いですが、補償は最低限です。
- 日本の海外留学保険に入るのが一般的で、費用は期間や補償内容によって大きく変わります。目安として、3ヶ月で5万円~6万円、半年で11万円~13万円、1年間で21万円~25万円程度です。
留学中の保険については、以下の記事で詳しく解説しています!

その他
- 大学出願料(报名费): 200元~500元(約4,000円~10,000円)。
- 健康診断料: 半年以上の留学で必要となり、費用は約20,000円~30,000円です。(中国現地で受ける場合は、さらに安く済ますことができます!)
- 留学エージェント手数料: 利用する場合、4万円ほどから40万円以上と、サービス内容によって幅があります。
2. 学費はどれくらい?
学費は留学費用の中で最も大きな割合を占める部分で、留学の種類や専攻によって大きく異なります。
語学留学
- 大学付属の語学センター: 費用が比較的安く、最も人気のある選択肢です。年間の学費は15,000元~25,000元(約30万円~50万円)が目安です。例えば、留学生に人気の北京語言大学の一般コースは年間23,200元(約46万円)です。
- 民間の語学学校: 授業料は高くなる傾向があり、1コマ(60分)あたり150元前後など、時間単位で料金が決まっていることが多いです。1ヶ月あたりの学費は4万円~10万円程度が目安になります。
大学(学部)
学部課程の学費は、日本の私立大学よりも安いことが多いです。
- 年間学費の目安: 一般的に50万円~80万円程度です。
- 専攻による違い: 専攻によって学費ははっきりと分かれています。
- 人文社会科学系: 26,000元~35,000元(約50万円~70万円)
- 理工・農学系: 30,000元~40,000元(約60万円~80万円)
- 医学・芸術・体育系: 25,000元~52,000元(約50万円~104万円)
大学院
大学院の学費も、欧米と比べると非常に安いです。
- 修士課程: 年間60万円~80万円。30,000元~40,000元が一般的な範囲です。
- 博士課程: 年間70万円~90万円。34,000元~44,200元(約68万円~88万円)程度です。
英語だけで授業を受けられるプログラム
最近、中国のトップ大学では、授業がすべて英語で行われるプログラムが増えています。中国語に自信がない学生や、特定の専門分野を国際的な環境で学びたい学生には魅力的な選択肢です。しかし、費用面では注意が必要です。例えば、北京外国語大学国際商学部(英語プログラム)の年間学費は39,900元と、通常の中国語プログラム(31,000元)より高い費用がかかります。これは、国際的に活躍する教授を呼んだり、特別なカリキュラムを作ったりするのにお金がかかるためです。こうしたプログラムは、高い学費を払う代わりに国際レベルの教育を受けられますが、中国語を学んだり、中国文化に深く触れたりする点では、従来の留学とは少し違う経験になるかもしれません。留学計画を立てる際は、自分の学習目標と予算をよく考えて、この点を慎重に検討しましょう。
3. 滞在費の選択肢と費用
滞在費は学費と並んで、留学費用を大きく左右する大切な要素です。
留学生寮
最も一般的で、費用も安く、安全なのでおすすめの選択肢です。
- 費用: 都市、大学、部屋のタイプ(一人部屋か二人部屋か)によって大きく変わります。年間の寮費は20万円~60万円程度が目安です。
- 料金体系: 1日あたり30元~150元(約600円~3,000円)のように日割りで決まっている場合や、学期ごとに料金が決まっている場合があります。
- 節約のポイント: 2人~4人の相部屋を選ぶのが最も効果的な節約方法です。地方の大学では1日25元~40元(約500円~800円)といった非常に安い寮も見つかります。また、入寮時に寮費1ヶ月分のデポジット(保証金)が必要なこともあります。
大学の学生寮については以下の記事で体験談も交えた解説をしています!

アパートなど(学外)
もっと自由な生活がしたい学生には、アパートでの一人暮らしやルームシェアという選択肢もありますが、費用は高くなります。
- 家賃相場: 北京では月3,000元(約6万円)ほどから、上海のルームシェアの一室で月3,500元(約7万円)など、大都市では日本の地方都市と同じか、それ以上の家賃がかかります。
- メリット: 中国の賃貸物件は、ベッドや冷蔵庫、机などの家具が備え付けられていることが多く、初期費用を抑えられる場合があります。
中国の生活に慣れていない場合は「自如/ziroom」で探すのがおすすめです!
4. 現地でのリアルな生活費
学費と家賃以外に、毎日の生活で必要になる費用の目安は以下の通りです。
食費
どんな生活を送るかによって最も変わる費用です。
- 大学の食堂: 非常に安く、1食7元~20元(約140円~400円)程度で食事ができます。そのため、節約のための自炊は、あまり効果がないかもしれません。
- 1ヶ月の食費の目安: 節約すれば月2万円~3万円、外食が多ければ月4万円~8万円と幅があります。北京や上海などの大都市では、月1,500元~3,000元(約3万円~6万円)程度を見ておくと良いでしょう。
- 外食: ローカルな食堂は安いですが、日本食レストランや高級な中華料理店は、日本とほぼ同じくらい、もしくはそれ以上の値段です。
交通費
公共交通機関がとても発達していて、運賃は日本に比べて格安です。
- 地下鉄: 北京の初乗り運賃は3元(約60円)です。
- バス: 多くの路線が2元~(約20円)乗れます。
通信費
携帯電話の月額料金も手頃です。
- 料金プラン: 毎月20GBのデータ通信が含まれる学生プランが年間400元~500元(約8,000円~10,000円)程度で契約できます。
携帯電話の契約については以下の記事から確認できます!

その他雑費
- 教材費: 年間で500元~600元(約10,000円~12,000円)程度です。PDF版を配布してくれる先生も多いので、そこまでお金はかかりません!
- 生活雑費全体: 交通費や通信費、交際費などを含めて、月々2万円~3万円程度を見ておくと安心です。
5. 1年間の中国留学費用モデルケース(北京外国語大学国際商学院)
ここまでの情報を基に、実際に僕が通う北京外国語大学国際商学院での1年間の費用を計算してみました。これで、あなたの計画がどれくらいの予算になるか、具体的にイメージできるはずです。
1年間の中国留学費用 詳細内訳モデルケース(年間、円換算)
費用項目 | (北京海淀区・寮一人部屋/共用シャワートイレ) |
学費(学部留学) | 620,000円 |
滞在費(寮・家賃) | 440,000円 |
食費 | 400,000円 ※外食少なめ |
航空券(往復)/年2回帰国 | 120,000円 |
海外留学保険 | 16,000円 ※強制加入の保険のみ |
ビザ・居留許可関連 | 25,000円 |
渡航前準備費(出願料・健康診断等) | 40,000円 |
現地雑費(交通・通信・教材等) | 300,000円 |
合計 | 1,961,000円 |
(各種データを基に作成。1元=20円で計算。為替レートにより変動)
この表から、留学費用は決まった金額ではなく、一人ひとりの選択によって大きく変わることがわかります。特に滞在費と食費が総額に大きく影響します。自分の予算と留学の目的に合わせて、ベストなプランを考えてみてください。
賢く費用を抑える!実践的な節約術
中国留学は欧米に比べて費用が安いですが、さらに工夫することで負担を軽くすることができます。特に、奨学金の活用と日々の生活での節約は、予算を大きく減らすための二つの大きな柱です。
1. 最大の節約術:奨学金制度をフル活用しよう
中国留学において、奨学金は単なるお小遣いではなく、経済的な負担を大きく減らすことができる、とても強力な方法です。
中国政府奨学金(CSC)
留学生向けの奨学金として最も有名で、内容も充実しているのが中国政府奨学金(Chinese Government Scholarship、通称CSC)です。
- 給付内容: この奨学金の最大の魅力は、その手厚いサポート内容です。多くの場合、学費、寮費(または家賃補助)、医療保険料が全額免除される上に、毎月決まった額の生活費がもらえます。
- 生活費の支給額: もらえる金額は学年によって違い、学部生は月額2,500元(約50,000円)、修士課程の学生は月額3,000元(約60,000円)、博士課程の学生は月額3,500元(約70,000円)です。この金額は、地方都市なら十分に生活できるレベルで、大都市でも生活費の大部分をカバーできます。
- 申請と選考: とても魅力的な制度なので、競争は激しいです。募集人数に対する倍率は1.8倍以上というデータもあります。選考では、良い成績、HSK(中国語の能力試験)のスコア(トップ大学を目指すならHSK5級~6級が望ましい)、そして説得力のある学習計画書や志望理由書が重要になります。申請は簡単ではなく、合格した先輩たちの体験談を読むと、早めにしっかり準備することと、留学への強い熱意が成功のカギであることがわかります。
ぼくは中国政府奨学金のおかげで、ほぼ無料で中国留学ができています!詳しい解説は以下の記事でしているので、参考にしてみてください!

大学や地方政府の奨学金
中国政府奨学金のほかにも、留学生が利用できる制度はたくさんあります。
- 大学独自の奨学金: 北京大学や清華大学といった多くのトップ大学は、大学独自の奨学金制度を持っています。これらは学費の全額または一部が免除されるもので、CSCよりは競争率が低い場合もあり、狙い目です。
- 地方政府の奨学金: 北京市政府外国人留学生奨学金のように、各地方政府がその地域の大学に留学する学生向けに奨学金を出していることもあります。行きたい大学がある地域の制度を調べてみる価値は十分にあります。
2. 毎日の生活でできる節約術
奨学金をもらうのが難しくても、日々の生活習慣を見直すことで、着実に支出を減らすことができます。
- 住居: 最も効果的な節約術の一つです。留学生寮の一人部屋ではなく、二人部屋や三人部屋といった相部屋を選ぶだけで、年間の滞在費を数十万円単位で節約できます。
- 食費: 大学の食堂を最大限に活用するのがおすすめです。中国の大学の食堂はとても安くて栄養バランスも考えられており、外食や自炊よりも安く済むことが多いです。自炊は、中華料理に飽きたときや、日本食が恋しくなったときにするくらいが良いかもしれません。
- 航空券: 旅行のオフシーズン(4月~6月、10月~12月)を狙い、早めに予約することで数万円の節約が可能です。
- 都市選び: 北京や上海などの大都市を避け、大連、昆明、西安といった地方都市を選ぶことが、留学費用全体を抑えるために最も効果的な方法です。教育の質が高い地方大学はたくさんあり、落ち着いた環境で勉強に集中できるというメリットもあります。
これらの方法を組み合わせることで、中国留学はさらに身近なものになります。特に、地方都市の大学で中国政府奨学金をもらい、大学の食堂中心の生活を送るというプランは、経済的な負担を最小限にしながら、質の高い教育と貴重な異文化体験を実現するための理想的な方法と言えるでしょう。
また、毎月の支出管理は「鲨鱼记账」というアプリがおすすめです!

あなたにぴったりの中国留学プランを立てよう!
この記事では、中国留学にかかる費用について、総額の目安から詳しい内訳、費用を左右するポイント、節約術、そして他国との比較まで、さまざまな角度から解説してきました。その結果わかったのは、中国留学の年間費用は一般的に100万円から200万円の範囲に収まるものの、その金額は個人の選択、特に「都市」と「住居」の選択によって大きく変わるという事実です。
この結論をふまえて、留学を考えているあなたの状況に合わせて、具体的なアクションプランを提案します。
留学を漠然と考え始めたあなたへ
まずは、あなたの留学で何を一番大切にしたいかを考えてみましょう。北京や上海のような大都市での刺激的な経験をしたいですか? それとも、地方都市の落ち着いた環境と費用の安さを優先しますか? この基本的な方向性を決めることが、予算を考える第一歩です。
より詳しい計画を立てているあなたへ
大学やプログラムの詳細を調べて自分の予算を組み立ててみましょう。特に、海外留学保険の有無や、大学の寮のタイプは留学の費用が大きく変わるので十分注意してください。また、紹介した奨学金制度は、留学の経済的な負担を劇的に軽くする可能性があります。特に中国政府奨学金(CSC)は競争が激しいので、もし応募を考えているなら、できるだけ早く情報収集と準備を始めることが成功のカギです。
費用を抑えて海外留学したいあなたへ
費用対効果を最大にするための方法は明確です。地方都市にある有力な大学を目標にし、中国政府奨学金をはじめとする各種奨学金に積極的に応募しましょう。滞在先は迷わず留学生寮の相部屋を選び、日々の食事は大学の食堂をフル活用する。 この方法を徹底すれば、年間120万円以下で質の高い教育と貴重な海外経験を手に入れることも十分に可能です。中国は、経済的な理由があっても、海外留学の夢を諦める必要がないことを示してくれる、最高の選択肢の一つです。
最後に、留学費用の計画はとても大切ですが、それがすべてではありません。中国留学で得られる中国語能力、異文化を理解する力、そして多様な価値観に触れることで得られる新しい視点は、お金では買えない一生の宝物になります。しっかりとした資金計画は、その貴重な経験に安心して集中するための土台です。この記事が、少しでもあなたの役に立てば嬉しいです!
また中国留学に関する質問は、いつでも各種SNSで受け付けているので気軽に質問してください!
それでは、再见!👋